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ゼンショー「すき家」赤字拡大75億円どう見る? ── ワンオペ廃止も深刻な人手不足

2014/11/11(火) 13:00配信

THE PAGE

 牛丼チェーン「すき家」などを展開する外食大手のゼンショーホールディングスは10日、2015年3月期の業績見通しについて、当初13.7億円とみていた赤字が75億円に拡大すると発表しました。11日午前の株式市場で同社株は約6%下落しています。

 同社は当初、通期の業績について、売上高5251億円、純損益が13.7億円の赤字と予想していました。しかし、今回の修正によって、売上高は5093億円、赤字は75億円に拡大します。赤字幅が拡大したことから、同社は上場以来初となる無配に転落します。

ワンオペを取りやめで赤字が拡大

 赤字が拡大した最大の理由は、深夜の1人勤務、いわゆるワンオペを取りやめたことによる売上高の減少です。

 同社は労働環境の問題が指摘されて以降、社内に設置した第三者委員会の提言に従って、ワンオペの解消に取り組んできました。しかし、深刻な人手不足から複数店員によるオペレーションへの切り替えが進まず、現在でも半分以上の店舗で深夜営業を休止しています。このため、深夜の時間帯に見込んでいた売上げが計上できなくなり、通期の売上高が減少するという状況になってしまったわけです。

牛丼チェーンのなかでも積極的な店舗展開

 すき家は、他の牛丼チェーンと異なり、積極的な店舗展開で業績を拡大してきました。1店舗あたりの効率が悪くても、深夜営業を行ったり、店舗数を拡大させることでカバーしてきたわけです。このため同社は、競合他社に比べて店舗あたりの利益率が低いという特徴があります。食材のコストはどこもあまり変わりませんから、すき家の場合には、人件費の削減などでカバーしてきたと考えられます。このため、人件費の削減余地が小さく、売上高が減少してしまうと、そのままダイレクトに利益の大幅減少につながってしまうわけです。

人手不足は慢性的、急激な改善は望み薄か

 同社をとりまく環境は今後もあまり改善しません。人手不足は慢性的なものであり、これから先、急激に改善する見込みはありません。円安によって食材の仕入れ価格も上昇しています。これまで同社は、ワンオペは見直すものの、基本的な経営方針は維持することを前提に体制の見直しを行ってきました。同社は現在でも、できるだけ早く深夜営業を再開したいとしています。しかし、通期の業績悪化が顕著になってきたことを考えると、規模の拡大を前提とした同社のビジネス・モデルそのものについても何らかの見直しが必要となるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/22(金) 3:52
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