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大卒の30%が3年以内に会社を辞める、この離職率どう考える?

2014/11/14(金) 7:00配信

THE PAGE

 大学を卒業して就職した人の3割が3年以内に会社を辞めていく。こんな実態が厚生労働省の調査で明らかになりました。離職率が2年連続で増加したことから、ブラック企業の存在など、企業の働かせ方について問題提起する報道もあったようです。

 しかし、もう少し長いスパンで見た場合、新社会人の離職率はそれほど変わっておらず、むしろ最近は低下傾向にあります。厚生労働省の調査結果では、2011年に大学を卒業した社会人の離職率は32.4%で、2010年が31%、2009年が28.8%と2年連続で増加しています。しかし、2009年のように、離職率が20%台だったのは非常に珍しいケースで、ここ15年は一貫してほぼ30%台で推移しています。もっとも離職率が高かったのは2000年で36.5%もありました。

 フリーターという言葉が定着したのは1980年代の後半ですが、バブル経済の時代を境に、会社に縛られない生き方というのがメディアなどで紹介されたことにより、短期間で会社を辞める人が増えてきました。その後、正社員ではない働き方は、いろいろな意味で当たり前の存在になりましたので、離職率の数字自体もほとんど変わっていないわけです。

 むしろ注目すべきなのは、最近の若者が転職や進学など、積極的な理由で会社を辞めているのか、それとも、職場環境の劣悪さから辞めざるをえないのかという点でしょう。

 離職率の推移は各業界とも似たような状況となっていますが、ここ3年の離職率の増加については業界ごとに多少の違いが見られます。例えば情報通信業における離職率の推移は25.1%、22.6%、24.8%と若干低下しています。一方、小売業は35.8%、37.7%、39.4%と増加しています。宿泊・飲食サービスも同様で48.5%、51.0%、52.3%という状況です。

 外食や小売といった業界には、一部ではありますが、かなり厳しい労働環境で知られる企業も存在しています。これらの業界の離職率が高く、かつ増加傾向が見られるというのは、こうした企業の存在が影響している可能性があります。

 ここ15年で離職率はほとんど変わっていないので、若者の考え方には変化がないと見ることもできます。一方で、景気低迷が長期化し、将来の見通しが暗い中で、離職率がわずかとはいえ増加しているというのは、職場環境がより劣悪になっていると解釈することもできます。同じ統計データでも、これをどう理解するのかは、世代によって大きく異なっているのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/25(木) 4:28
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