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7~9月期GDP、想定外の大幅マイナス ── 消費増税先送りなら財政問題が懸念に

2014/11/17(月) 14:46配信

THE PAGE

 内閣府は2014年11月17日、7~9月期のGDP(国内総生産)の数値を発表しました。物価の影響を除いた実質で年率マイナス1.6%と想像を超える下落となりました。安倍首相が、消費税の10%への増税延期と衆議院の解散を決断する可能性はさらに高くなってきました。

 エコノミストなどによる事前予想の多くはプラス2.4%程度でしたから、市場では驚きが広がっています。為替市場では、GDPが発表になると一時117円台をつけました。

公共事業以外は総崩れ

 もっとも足を引っ張ったのが住宅で、前期比マイナス6.7%と大幅な下落となりました。個人消費もプラス0.4%と非常に弱く、消費増税の影響で消費が脆弱になっていることが明らかとなりました。さらに設備投資もマイナス0.2%となっており、公共事業以外は総崩れといった状況です。

 これまでの各四半期における実質GDPの成長率(年率換算)は、2013年10~12月期がマイナス1.6%、2014年1~3月期はプラス6.7%、2014年4~6月期はマイナス7.3%でした。大方のエコノミストの説明では、2014年1~3月期に大幅なプラス成長となったのは消費税前の駆け込み需要であり、4~6月期はその反動であるとのことでした。もし、そうであるならば、今期(7~9月期)は定常状態に戻ることになるため、大幅プラスになっていなければおかしいわけです。

消費や投資そのものが、かなり脆弱に

 当初は安倍政権も今期、大幅なプラスとなることを予想しており、そのタイミングで消費増税を決断する意向といわれてきました。しかし現実には、マイナス1.6%と前期からさらにマイナスという数字が出てきてしまいました。

 この結果は、最近の消費の落ち込みが単なる反動減ではなく、消費や投資そのものが、かなり脆弱になっていることを示唆しています。この状態で来年10月に消費税を増税すれば、景気がさらに落ち込むかもれません。解散という政治決断が迫っていることを考えると、消費税の延期をセットにする可能性はさらに高まったといえるでしょう。

消費増税先送りで財政問題が懸念に

 消費税が先送りとなった場合に懸念されるのは、やはり財政問題です。今回のGDPが比較的よい数値であれば、消費税を先送りしても税収の増加で財政を好転できるという解釈も成立します。しかし、ここまで景気が低迷しているということになると、増税を先送りしても来期以降のGDPはあまりよい状態にはならないでしょう。つまり、以前ほど税収の自然増を期待するのは難しくなるわけです。増税すると景気をさらに冷やし、増税をスキップすると財政再建が遠のくという板挟みになりつつあります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/5/22(金) 3:08
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