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スカイマークと日航の提携交渉、何が問題になっているのか?

2014/11/26(水) 12:01配信

THE PAGE

 国内航空3位のスカイマークが日本航空との提携交渉を開始しました。スカイマークは円安によるコスト増に加え、エアバス社との違約金問題を抱えており、苦しい経営を強いられています。JALとの提携で状況を打開しようということなのですが、JALは公的資金の投入で再生したという経緯があり、新規の投資やM&Aが制限されています。このため、JALとスカイマークの提携交渉について問題視する声も出ているようです。

 スカイマークは、日本におけるLCC(格安航空会社)のはしりともいうべき企業です。1996年に事業を開始し、低価格を武器に急成長してきました。しかし、本格的なLCC時代を迎え、低価格路線の競争が激化。同社は超大型旅客機A380を使った本格的な国際路線への進出を計画します。エアバス社に対してA380を6機発注し、前払い金として約260億円の支払いを行ったのですが、タイミングの悪いことに円安による燃料費の高騰で業績が急激に悪化してしまいました。

 同社の支払い能力に疑問を持ったエアバス社は、A380の契約解除を通告し、一時は700億円の違約金を請求する可能性も示唆していました。結果的に違約金は前払い金の範囲である200億円程度に収まる見通しとなっており、同社の経営危機はとりあえず回避された状態にあります。しかし、業績低迷という状況は変わっておらず、事態打開のために同社はJALに対して提携を申し入れたわけです。

 JALにとってみれば、スカイマークと共同運航を行うことで、実質的にシェアを拡大することができます。売上高で追い抜かされたANAに対抗するためには、国内3位であるスカイマークとの提携は魅力的です。

 しかしここで問題になるのがJALの経営再建の経緯です。JALは2010年1月、会社更生法の適用を申請し、企業再生支援機構の支援を受けて経営再建を果たしました。JALには多額の公的資金が投入されており、税金で救済された会社が身軽になって他社との競争に勝つというのはフェアではありません。このため国土交通省は2017年3月までの間、JALと他社が不公正な競争にならないよう監視する方針を打ち出しています。

 太田国土交通相は、JALとスカイマークが提携交渉を開始したことについて「健全な競争環境の確保の観点から、厳しく判断する」と述べています。

 JALはスカイマークに対して資本参加しない方針であり、あくまで業務提携の範囲にとどめるとしています。この提携が不公正な競争に該当するものなのかどうかが、今後の焦点となりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/18(木) 4:10
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