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人工知能作家は文学賞を獲れるか?!~小説家と大学が物語作成ソフトを開発

2014/11/30(日) 7:00配信

THE PAGE

 このところ人工知能が様々な分野に応用されていますが、近い将来、小説の執筆もコンピュータが行うようになるかもしれません。小説家の中村航氏は自身の出身大学である芝浦工業大学と共同で、小説のプロット(小説を書く際に必要となる、構成やおおまかなあらすじを記した設計図)を作成するソフトを開発しました。そして、同ソフトを使い、同じく小説家の中田永一氏と共同で、「僕は小説が書けない」を出版しました。中田氏も工学部を卒業(豊橋技術科学大学)しておりソフトの開発に協力しています。

 小説はただ思いつくままに物語を書けばよいというものではありません。筋書きや構成を事前にしっかり組み立てておかないと、途中で矛盾が生じたり、全体の流れが悪くなってしまいます。小説家にもよりますが、事前にプロットを書いてから執筆作業を行う人も少なくありません。今回のソフトはそのプロットを自動作成するというものです。

 このソフトを開発するにあたり、芝浦工業大学の米村俊一教授は、プロトコル解析という方法を活用しました。プロの小説家である中村氏に頭の中で考えたことを言葉に出してもらい、それを解析することで、中村氏がどのような思考回路で小説の筋書きや構成を組み立てているのかを体系化し、これをシステムに実装しました。

 利用者はソフトから出される質問に答えていくと、ソフトが小説の筋書きや構成を作ってくれます。これまでまったく小説を書いたことがない人でも、小説の基礎を作ることができるわけです。

 現段階では、あくまでプロットを作成するだけであり、小説そのものをソフトが書いてくれるわけではありません。また両氏はプロの作家であり「僕は小説が書けない」はあくまでプロの手による作品ということになります。コンピュータが作ったと表現するのは少々無理があるでしょう。

 中村氏と中田氏は、このソフトが作成したプロットをもとに、共同で小説を執筆しました。数ページずつ執筆を行い、お互いにバトンタッチするというやり方ですから、しっかりとしたプロットがあればこその作品といえます。

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最終更新:2015/1/31(土) 3:30
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