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GDPが上方修正の可能性。なぜコロコロ数字が変わるの?

2014/12/7(日) 7:00配信

THE PAGE

 11月17日に発表された7~9月期のGDP(国内総生産)がまさかのマイナス成長となり、市場には動揺が広がりました。結果として消費税の増税も延期となったのですが、12月8日に公表予定のGDP改定値では、その数値が上方修正されそうな状況となってきました。なぜGDPの数値は公表する時期によって大きく変わるのでしょうか。

 GDPの数値が公表する時期で変わってしまうのは、GDPの算定に用いる統計資料が異なっているからです。GDPは直接計測するものではなく、各種の統計資料を使って作成する2次統計となります。公表時期によって利用できる統計が異なるため、これが結果の違いを生み出す原因となります。

 例えば、今回(11月17日発表の速報値)のGDPを例に取ってみると、マイナス要因として影響が大きかったのは、在庫調整と設備投資の2つです。ひとくちに在庫といっても、製品在庫、流通在庫、仕掛品、原材料など様々なものがあります。速報値の段階では、製品在庫については品目ごとの個別データが使用されますが、仕掛品や原材料は一定のルールに基づいた推計が行われます。設備投資についても、速報値の段階では、その数字を直接知ることはできません。このため、工業製品の生産指標などから推計するという作業が行われます。

 一方、12月8日に公表予定の改定値では、需要側の統計である法人企業統計のデータを活用することが可能となります。法人企業統計を使えば、企業がどの程度の設備投資を行ったのか、より正確に把握できますから、現実に近い数字に修正されることになります。

 法人企業統計によると、ソフトウエアを除く全産業の設備投資額(季節調整済)は前期比プラス3.1%となっています。この数字がそのままGDPの設備投資になるわけではありませんが、少なくともプラスに修正される可能性は高くなってきました。一方、在庫調整については、大きな変化は見られません。結果として、設備投資のみが上方修正される可能性が高まってきたと考えてよいでしょう。民間エコノミストの予想も、基本的には設備投資がプラスという点では一致していますが、その水準にはかなりのバラツキがあり、どの程度のプラス幅になるのか現時点では何ともいえません。

 もっとも、GDPに占める設備投資の割合は小さく、ここがプラス転換しても、GDP全体に与える影響は限定的です。最終的な結果は、やはりマイナス成長である可能性が高く、景気動向に対する見方はあまり変わらないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/4/10(金) 3:48
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