ここから本文です

台湾の馬英九総統が国民党主席を辞任、中台接近路線見直しか?

2014/12/9(火) 19:30配信

THE PAGE

 このところ、中国との接近路線が顕著になっていた台湾に変化の兆しが出てきました。11月29日に行われた統一地方選挙で与党・国民党が大敗、馬英九総統が、その責任を取って党主席を辞任したからです。2016年には台湾総統選挙が行われる予定ですが、情勢は不透明になりつつあります。

[写真特集]台湾3・30デモ

 もともと台湾は、中国本土の統治をめぐって国民党と共産党が対立、内戦の結果(国共内戦)、国民党が台湾に逃れたことで成立しました。中国と台湾は、双方が正当な中国政府であると主張して譲らず、一触即発の状態が長く続いてきました。

 一方、台湾国内では、内戦以前から台湾に住んでいた人たち(本省人)を中心に、中国としてではなく、台湾として独立する運動が活発化、2000年には独立を主張する民進党の陳水扁氏が総統に就任しました。台湾は一気に独立に傾くかと思われたのですが、陳水扁氏に金銭スキャンダルが発覚したことで、国民の支持を失ってしまいます。2008年の総統選挙では、馬英九氏が当選し政権は再び国民党に戻ることになりました。

 中国共産党と国民党は長年敵対関係にあったわけですが、国民党は民進党が主張するような形での独立は望んでいません。中国側も、むしろ国民党と協力して台湾をうまく取り込んだ方が得策と考えており、馬英九政権発足後、台湾と中国の接近路線が始まりました。

 中国は台湾の実業家を優遇し、中国大陸でのビジネスに便宜を図ることで、中台経済の一体化を進めてきました。台湾の企業でありながら、中国本土を中心に事業展開し、iPhoneなどの製造請負で世界的企業になった鴻海精密工業はこうした中台接近路線を象徴する企業のひとつです。

 大手企業を中心とする台湾の財界は中国との接近に前向きですが、中小企業の経営者や若年層の多くは、中国との接近を望んでいないといわれています。今年4月に、民主化を要求する台湾の学生が立法院(国会)を占拠するという事件が発生しましたが、この事件の背景には、台湾政府が2013年に中国と調印したサービス貿易協定に対する国民の反発があります。

 今回、国民党が大敗したことは、2016年の総統選挙にも影響を与えそうです。もし総統選挙で野党の民進党が政権を握ることになれば、中台の接近路線が見直されることはほぼ確実でしょう。仮に国民党の政権が続いた場合でも、従来のスタンスは軌道修正されることになるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/20(火) 4:35
THE PAGE