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<プロボクシング>年末に伝説王者に挑戦する井上尚弥が手にした鉛の拳

2014/12/19(金) 18:13配信

THE PAGE

 プロボクシングのWBO世界Sフライ級王者、オマール・ナルバエス(38歳、アルゼンチン)に12月30日、東京体育館で、世界挑戦する前WBC世界Lフライ級王者、井上尚弥(21歳、大橋)が19日、横浜市内で公開練習を行い「勝って新しい伝説を作る」と宣言した。
 
 Lフライ級では、10キロを超える過酷な減量で苦しんだが、2階級上げたことで、調整は順調に進んだ。「この時期でも追い込めている。スピードと若さで世代交代を成し遂げたい」。Lフライ時代の公開練習では、頬がこけ病人のように生気がなくなっていたが、この日は、顔色も良く動きも溌剌としていた。なにしろ驚いたのはミット打ちの衝撃の変化だ。

 階級を上げたことで減量で心身を削られることがなくなったためパンチの質が変わった。父で専属トレーナーでもある井上真吾さんは、「受けていて、これまでは硬い石のようなパンチだったが、今は、硬さに重さが加わって、鉛のようなパンチに変わった」と言う。真吾さんは、ミットでパンチを受ける際にも、手首にテーピングを施して軍手をはめた上でミットをつけなければ耐えることができない。

 「減量がなくなったことで肉体的にもバランスがとれ、パンチに重さが増したんだと思う。ボディのパンチに関しても本当にミットを重ねても耐えるのが難しくなった」
 石の拳と呼ばれたのは、名チャンプ、ロベルト・ディランだが、井上が手に入れたのは、鉛の拳。減量がない分、フィジカルトレーニングにも集中できた。「上半身、下半身共に力負けないしない体を作った」と井上も言うが、その効果がパンチの変化に現れた。

 ナルバエスは、WBOフライ級王座を16度防衛し、Sフライ級王座も11度防衛中のスーパーチャンピオン。12年間、世界王座に君臨続けているが、脅威的なパンチやスピードがあるわけではなく、強固なガードディフェンスを主体とした“負けないボクシング”。39歳という年齢に加えて国外で防衛戦をしない“内弁慶チャンピオン”でもあって隙がないわけではない。

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最終更新:2016/2/1(月) 4:44
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