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消費税は上げるのに、なぜ法人税は下げようとしているのか?

2014/12/26(金) 7:00配信

THE PAGE

 総選挙で与党が勝利したことで、法人税改革の行方に焦点が集まっています。安倍政権は成長戦略の切り札として、法人税の減税を掲げているのですが、30日に取りまとめる予定の税制改正大綱において、おおまかな内容が提示される予定となっています。消費税は増税するにもかかわらず、なぜ法人税は下げようとしているのでしょうか。

 日本の法人税の実効税率は諸外国に比べて高いといわれています。財務省の調査では日本の法人税の実効税率は約35%で、ドイツ(29.6%)やイギリス(23%)、シンガポール(17%)などと比べると高くなっています(ただし米国のように日本より高い国もあります)。日本の実効税率を諸外国並みに安くすれば企業の手元資金が増え、設備投資などが活発になることで経済が活性化するというのが安倍政権の基本的な考え方です。

 消費税は個人消費との関連性が高いですから、景気に対する増減税の影響はそれほど大きくないと理解されています(実際にはかなりの影響がありましたが)。一方、法人税は企業の投資活動との関連性が高いので、減税効果が大きいと考えられているわけです。この政策は財界が強く働きかけてきた政策ですから、財界全体の要望でもあります。

 安倍政権では、今後数年間かけて税率を20%台まで引き下げる意向を示していますが、具体的なスケジュールや減税規模はまだ固まっていません。引き下げの基準となる税率について、東京都を基準にするのか、標準税率を基準とするのかで多少変わってきますが、実効税率を20%台にするためには、5%から6%ほど税率を引き下げる必要があります。財務省では、法人税1%あたりの税収が4700億円になるとしています(平成26年度当初予算をベースに、標準実効税率をあてはめたものと考えられます)から、6%の引き下げを実施すると、約2兆8000億円、税収が減る計算です。

 現在、日本は財政難の状態ですから、減税分について国債を発行して手当てするのは難しい状況です。政府の税制調査会や財務省などでは、法人税を減税する場合には、代わりとなる財源が必要という立場を崩していません。財源としては、赤字企業も対象となる「外形標準課税」の強化や、欠損金の繰越し控除の縮小などが検討されています。

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最終更新:2016/2/3(水) 2:34
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