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ロシア経済危機、世界経済や日本への影響は?

2014/12/27(土) 7:00配信

THE PAGE

 ロシア経済が少々危険な状態に陥っています。同国の通貨ルーブルが急落し、国内ではインフレが加速しています。市場関係者の一部からはちょっとした金融パニックが起こるとの声も上がっていますが、現状はどうなっているのでしょうか。

 ルーブルが下落する最初のきっかけとなったのは、ウクライナ問題に対する西側各国の経済制裁です。制裁が発動された7月以降、ロシアからの資金流出が発生し、通貨ルーブルの下落が始まりました。しかし、最初のうちは、ロシア中央銀行が積極的に介入したこともあって、大きな影響は出ていませんでした。

 この状況を一変させたのが、原油価格の大幅な下落です。原油価格は米国のシェールガスの大量増産による余剰感から値崩れしています。最大の産油国であるサウジアラビアが減産しなかったことから、さらに価格下落が進んでおり、半年前まで100ドル以上していた原油価格が現在では50ドル台まで下がってしまったのです。

 価格下落の影響をもろに受けたのがロシア経済です。ロシアは目立った産業がなく、原油や天然ガスの輸出以外に外貨を獲得する手段がありません。しかしロシアの原油は採掘コストが高く、現在の価格では儲からないどころか、大幅な赤字となってしまいます。もし原油価格が50ドルになってしまうと、ロシアは毎年17兆円もの損失を抱える計算になります。経済への不安から外貨の流出が激しくなっており、ルーブルの下落が止まりません。経済制裁発動時点と比較するとルーブルは6割ほど減価しています。

 ロシアは金融システムが脆弱なため、自国通貨の住宅ローン商品が十分ではありません。ローンが借りられない人の中には、外貨建ての住宅ローンを組んでいる人もいるのですが、この人たちは、今回の通貨暴落で破産に追い込まれてしまいました。

 ロシア中央銀行はルーブルを防衛するため、政策金利を6.5%も引き上げ、年17.0%にすると発表しています。またロシア政府が、輸出企業5社に対して保有するドルの一部を売却するよう命じたとの報道もあります。こうした措置によって通貨暴落に一旦は歯止めがかかったように見えますが、今後の状況については依然として不透明です。

 もっとも、ロシア全体としてみれば、過去のエネルギー輸出で蓄えた55兆円の外貨準備があり、すぐにデフォルトを起こす状況ではありません。ロシアは西側の国と異なり、国民を窮乏させても、特定の政策を維持することが可能です。思いのほか長く耐えることができるかもしれません。

 またロシアに対する金融債権は、世界経済全体からみればごくわずかな水準にとどまっています。ロシアの危機が引き金になり、新興国から一斉に資金が流出する状況にならなければ、世界経済や日本への影響は軽微でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/11(木) 4:51
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