ここから本文です

ハイレゾって本当に広がるの?

2015/1/1(木) 12:00配信

THE PAGE

そもそも「ハイレゾ」とは

 現在、一般消費者が流通市場を通じて手にする「音楽」は、その大半がデジタル化されています。音楽CDはもちろん、パソコンやスマートフォンで聴く音楽ストリーミングサービス、DVDやBlu-rayに収録されている音源もデジタルです。デジタルコンテンツの場合、情報量(データサイズ)の大きさは品質に直結するため、容量が大きいほど高品質/高音質となる傾向があります。

 近ごろ耳にする「ハイレゾ」の語源はHi-Res(High Resolution)、すなわち情報量が多いコンテンツを指します。音楽についてハイレゾという場合、情報量が多いぶん繊細で表現の幅が広くなり、結果として「いい音」につながります。音楽CD(20Hz~22.05kHz)を大きく超える帯域をカバーすることで、音場の広がりや奥行きといった独特の「空気感」まで表現できます。厳密には日本オーディオ協会が定めた定義に従いますが、かんたんにいえば「音楽CDを上回る情報量があること」がハイレゾ音源かどうかの基準です。

 その情報量を決めるひとつの指標が「サンプリング周波数」です。サンプリング周波数は1秒間にどれだけ細かく音を計測(サンプリング)するかを示し、44.1kHzと決められている音楽CDは1秒間に4万4千100回計測していることになります。ハイレゾ音源の場合、音楽CDのサンプリング周波数をはるかに超える9万6千回(96kHz)、19万2千回(192kHz)というケースが多く、そのぶん緻密でオリジナルに近い音を再現できます。

 「量子化ビット数」も、デジタル音源の情報量に大きく影響します。ビット数が大きいほど信号の振幅の大きさを決める段階が増し、それだけ音の細かい描写が可能となるのです。音楽CDは16ビット(2^16=約6万5千段階)ですが、ハイレゾ音源は24ビット(約16万8千段階)以上が一般的です。

 つまり、ハイレゾの肝は「音質」であり「リアルさ」です。ハイレゾ音源をつくる側と聴く側の両方に取材しても、データサイズは気にしないから音質を追求したいという思いが共通して存在します。パソコンやポータブルオーディオを中心に普及してきたAACなどの圧縮音源(ロッシー)フォーマットは、人間の可聴帯域外の音を削りサイズを小さくするという効率重視の設計ですが、ハイレゾはその反対で原音を損なわない可逆圧縮(ロスレス)以外は認めない、という考え方です。

1/2ページ

最終更新:2016/2/8(月) 3:06
THE PAGE