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日本の1人あたりGDPトップは過去のもの ── さらに順位急落で日本はどうする?

2015/1/9(金) 7:00配信

THE PAGE

 日本の1人あたりGDP(国内総生産)の順位が急落したことが話題になっています。1人あたりGDPは豊かさの象徴ともいわれていますが、一方で経済的な豊かさだけを追求しても意味がないという意見もあります。1人あたりのGDPが減少すると、どうなってしまうのでしょうか。

 内閣府は昨年末、2013年度のGDP確報値を発表しました。それによると2013年における日本の1人あたりGDPは3万8644ドルとなり、OECD加盟国の中では19位となりました。前年は13位ですから、大きく順位を落としたことになります。先進7カ国中では下から2番目という状況です。

 かつて日本は、1人あたりGDPにおいて先進7カ国中トップでした。しかし、2001年から順位が急落。リーマンショックによる他国の落ち込みで一時的に回復したものの、2013年には再び順位が落ちてしまいました。

 順位が落ちた原因は、当たり前のことですが、日本経済が成長していないからです。過去10年の間に主要各国のほとんどがGDPを1.3倍から1.5倍に拡大させていますが、日本はずっと横ばいが続いてきました。これは世界的に見るとかなり異常な事態です。それまでは円高でしたので、何とか順位を維持することができたのですが、円安によりドルベースでのGDPは一気に減少してしまったわけです。

 1人あたりのGDPで豊かさを測ることについては様々な意見があります。物質的な豊かさだけなく、精神的な豊かさについてもっと気を配るべきだという考え方もあるでしょう。

 もし日本がどの国とも貿易をしていなければ、こうした経済的な指標にこだわる必要はないのかもしれません。しかしながら、日本はエネルギーや素材、食料品などの多くを輸入に頼っているというのが現実です。1人あたりGDPは、平均的な日本人の年収に近いと考えることができますので、この数字が減少するということは、わたしたち日本人の購買力が減ってしまうということを意味しているのです。

 最近、海外旅行をした人の多くが、為替の変動を差し引いても、海外の物価をとても高いと感じています。つまり1人あたりのGDPが減ってくると、私たちが購入できる製品の量や質が低下してしまうわけです。特に、スマホやパソコンといったIT機器、自動車、医療サービスなど、国際的な一物一価がはっきりしているものについては、ダイレクトに影響してくることになります。

 1人あたりのGDPが減少してしまうと、最終的にはその国の社会保障の水準も低下してしまいます。多くの国民が健康で豊かな生活を送るためには、やはり一定の経済成長が必要となるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/11(金) 4:28
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