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経団連が8年ぶりの政策提言、安倍政権のスローガンとそっくりな理由とは

2015/1/11(日) 7:00配信

THE PAGE

 経団連が8年ぶりとなる総合的な政策提言を行いました。経済界はどのような政策を実現しようとしているのでしょうか。

 経団連は今年の年頭、2030年までの国家ビジョンを示す政策提言「『豊かで活力ある日本』の再生」を発表しました。同団体は、日常的な活動を通じて経済界の要望を政府に伝えていますが、まとまった形で政策提言を行うのは、8年ぶりのことになります。

 経済界による政策提言ですから、ビジネスに関連するかなり具体的な政策が列挙されているというイメージを持ちますが、実際に発表されたものは、それとは大きく異なっています。

 提言の冒頭では、「若者が日本国民であることに誇りを持ち、希望ある未来を切り拓いていける国」、「世界から信頼され尊敬される国」を実現するという二つの目標が掲げられました。その上で、名目3%、実質2%程度の持続的な経済成長を実現させ、2030年時点における経済規模を現在の1.5倍程度に拡大するとしています。経団連という名前を取ると、安倍政権が掲げるスローガンとそっくりです。

 具体的な施策も同様です。少子高齢化に対応するため、人口1億人の維持を目指す、女性活用を推進するなど、これまでアベノミクスで提唱されてきたものとほぼ同じメニューが並んでいます。経営のプロである企業経営者たちが、専門的な知見に基づいて政策提言をしたものというよりも、安倍政権と協調していく姿勢を明確にしたものと理解した方がよさそうです。

 経団連としては、安倍政権との距離を近くしておきたい理由があります。経団連には、前会長である米倉弘昌氏が安倍政権の経済政策を厳しく批判し、政権と対立してしまったという過去があります。その後、しばらくの間、経団連と安倍政権は冷え切った関係が続き、十分に意思の疎通が出来ていませんでした。

 昨年、新しく会長に就任した榊原定征氏は、安倍首相と個人的に近い人物として知られています。すでにOBになっていた榊原氏に白羽の矢が立ったのは、安倍氏との距離の近さが決め手といわれています。

 安倍政権側もこれに応えて、経済界の最大の要望事項である法人税の減税を受け入れる意向を示していますし、一方、経済界側は安倍政権からの賃上げ要請を昨年に引き続き、大筋で受け入れる方針です。

 本来、経済界と政府には多少の対立があるのが常ですから、ここまで両者の距離が近いというのは、非常に珍しい状況といえるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/22(木) 3:37
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