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話題の経済本、ピケティ『21世紀の資本』には何が書いてあるの?

2015/1/15(木) 7:00配信

THE PAGE

 フランスの経済学者トマ・ピケティの書籍『21世紀の資本』が話題となっています。700ページを超える分厚い本ですが、米国において異例のベストセラーとなり、日本語訳も好調な売れ行きを見せています。

 21世紀の資本は、膨大な歴史データを使って、富の蓄積や配分について実証的に示すという、かなり難しい内容です。それにも関わらず本書が大ヒットとなったのは、世界的に関心が高まっている格差問題について、踏み込んだ分析を行っているからと考えられます。

 ピケティは、いつの時代においても、資産の収益率(r)が所得の伸び(g)を上回っており、これによって富を持つ人とそうでない人の格差が広がっていると主張しています。

それはすなわち、こういうこと

 資産を持っている人は、その資産を運用することでさらに富を増やすことができます。例えば2億円の資産がある人が、利回り5%の債券や株式にお金を投資すると、年間で1000万円の収入を得ることができます。これは働いたお金ではありませんから、いわゆる不労所得ということになり、しかも元本の2億円はなくなっていません。つまりお金持ちの人は、お金を減らすことなく、毎年、資産が生み出すお金で自身の資産を増やすことができるのです。

 これに対して、一般的な労働者は、自分が働いた対価としてお金をもらいます。もし毎年、給料が増えていき、年収が1000万円を超えれば、2億円の資産から不労所得を得ている先ほどの資産家よりも年間に稼げる金額は多いことになります(資産家が運用している2億円の元手はここでは考えないことにします)。つまり、経済が成長し、給料が増えるスピードが資産運用の利回りを超えていれば、資産のある人とない人との格差は縮小するわけです。

 しかしピケティの分析によると、過去数百年間にわたって、資産からの収益が所得の伸びを上回っており、資産を持つ人と持たない人の格差は拡大してきたそうです。しかも、これから先は、所得の伸びが鈍化すると予想されており、格差はさらに拡大する可能性が高いということです。

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最終更新:2016/2/23(火) 4:09
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