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2015年度予算案、96兆3420億円と過去最大 ── 財政再建を強く意識した内容に

2015/1/14(水) 21:26配信

THE PAGE

 政府は14日、2015年度予算案を閣議決定しました。金額は過去最大となりましたが、国債依存度が低下するなど、財政再建を意識した予算案となっています。

 一般会計の総額は96兆3420億円となり、金額としては過去最高額を更新しました。日本の財政は完全に借金体質となっており、予算の約4割を国債に依存しています。2014年度は当初予算ベースで95兆8823億円のうち、41兆2500億円が国債によってまかなわれていましたから、国債依存度は43%ということになります。2015年度は、予算総額が前年度よりも4596億円増加したものの、国債による歳入は36兆8630億円と4兆3870億円減少しています。このため、国債依存度は38.3%に低下しました。全体としてみれば、今年度の予算は景気対策よりも財政再建を優先した内容ということになります。

 個別の予算項目を見てもその傾向は明らかです。前年度の予算より大幅に増加しているのは、高齢化の影響を大きく受ける年金や医療費といった社会保障費(前年比3.3%増)と防衛費(前年比2%増)のみです。公共事業はほぼ前年並みで、地方交付税交付金や文教費などはマイナスとなっています。社会保障費は裁量で増減できる部分が少ないですから、実質的に増額となったのは防衛費のみと考えてよいでしょう。

 歳出を抑制した結果、財政収支は改善しています。税収だけで歳出をまかなえるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字額は13兆4122億円となり、前年度予算と比較すると約4.6兆円改善しました。政府は2015年度までに基礎的財政収支を2010年度から半減(GDP比)するという公約を掲げていますが、今回の予算案が実現すれば、その目標は達成できる見通しとなりました。

 ただ、もう一つの公約である2020年度における基礎的財政収支の黒字化は、消費税を10%にしても達成が難しい状況です。消費税を10%以上に増税しない場合には、極めて高い経済成長を実現するか、社会保障費の大幅削減を実施する必要がでてきます。

 また最終的に問題となるのは、国債の利払いも含めた財政収支ですが、こちらは金利の動向に大きく左右されてしまいます。2015年度予算では、国債費は約23兆ですが、このうち国債の償還に充てているのは13兆円、残りの多くは利払い費です。現在、国債の利回りは低い状態で推移していますが、金利が上昇してしまうと、この金額が跳ね上がり、一気に財政を圧迫することになります。

 今回の予算で財政再建のメドがついたという話ではありませんが、少なくともその第一歩を踏み出したことは間違いないでしょう。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2016/2/21(日) 3:14
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