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原油安はなぜ起こったのか? どこまで続くのか?

2015/1/16(金) 7:00配信

THE PAGE

 原油価格の下落が止まりません。ニューヨークの原油先物市場では、5日に心理的節目である1バレル=50ドルを下回り、その後も下落が続いています。原油価格はなぜ急激に下落したのでしょうか。そして原油価格の下落は経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

 原油価格はここ1年で一気に半分以下まで下がりました。価格下落のきっかけになったのは、中国や欧州の景気低迷によって、世界的な石油の需要が緩むとの思惑が出てきたことです。しかし、背景にはもっと根本的な原因があります。それは、米国でシェールガス開発が進み、世界最大の石油消費国である米国が、エネルギーを自給できる見通しになったことです。

 米国は1日に約900万バレルの原油を純輸入していますが、理屈の上では、近い将来、これが不要となります(実際には安全保障上の問題から輸入も継続する見込みですが)。これは全世界の原油産出量の10%にも達する極めて大きな数字です。全体の1割がダブつくわけですから、市場原理として価格は大幅に下落することになるわけです。

 これまで産油国の多くは価格下落に減産で対応してきました。しかし、今回は価格下落の圧力がこれまでとは比較になりません。下手をすると、減産しても価格が上がらず、石油収入だけが減少するという最悪の事態になってしまいます。このため世界最大の産油国であるサウジアラビアは減産をしない方針を決定し、OPEC(世界石油輸出国機構)も同様の決断を行いました。減産する国がありませんから、価格は下がる一方になります。

 問題はこの価格下落がどこまで続くかということなのですが、市場関係者の多くは、基本的な原油の余剰は解消されないため、長期にわたって安値が続くと予想しています。

 安値といっても、ここ10年の原油価格が異常に高かったという側面も否定できません。1990年代、原油価格は1バレル=20ドル程度でした。しかし新興国の急激な経済発展などから価格が急騰し、一時は1バレル=140ドルまで相場は上昇しました。ちょっと前まで20ドルだったことを考えると、100ドルを超える原油価格の方がむしろ異常だったと解釈する方が自然でしょう。

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最終更新:2016/2/23(火) 2:39
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