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超長期債にシフトが進む日本の国債の背景とは?

2015/1/18(日) 7:00配信

THE PAGE

 政府が国債の利払い費を軽減するため、償還までの期間が長い「超長期債」へのシフトを進めています。背景には、金利上昇による財政圧迫リスクの高まりがあります。

 日本政府の財政が国債という借金に依存していることはよく知られています。2014年度予算の歳入における国債の依存度は43%に達しています。つまり収入の半分近くが借金というわけです。日本の政府債務のGDP比は国際的に見ても高く、政府は2020年までに基礎的財政収支を黒字にするという財政再建目標を掲げています。14日に閣議決定された2015年度予算では、歳出の抑制が顕著となっており、政府案通りに可決されれば、国債の依存度は38%に下がることになります。

 ただし、これはあくまでも単年度の予算の話です。政府はすでに発行してしまった大量の国債を抱えており、その利払いは今後も長期にわたって続くことになります。2015年度予算の総額は約96兆円ですが、このうち過去に発行した国債の利払い費は10兆円に達します。

 この利払い費が今後も10兆円で済むのかについては保証の限りではありません。今は歴史的な低金利となっており、利払い費が極限まで安く抑えられているからです。量的緩和策によって日銀が大量の国債を買い入れていますから、当分の間、低い金利が続くことは確実です。しかし、量的緩和策を永久に続けることは不可能です。いつかは緩和策を終了するタイミングが到来し、その時には国債の金利は上昇に転じることになります。

 金利が上昇に転じると、その時に発行する国債の利払い費も増加していきますから、徐々に予算における利払い費の割合が増えていきます。これがじわじわと日本の財政を圧迫する可能性があるわけです。

 これを完全に回避することはできませんが、金利上昇の影響を緩和することは可能です。金利が低い今のうちに、償還までの期間が長い超長期債の割合を増やしておけばよいのです。財務省が14日に発表した2015年度の国債発行計画によると、あらたに発行する国債のうち、超長期債(10年超)の割合は17%となっており、前年の15.5%から1.5%ポイント増加しました。逆に中期債(2~5年)や短期債(1年)の割合は大きく減少しています(一般的な入札による発行額の内訳)。これによって全体の平均償還年月は前年度より7カ月延び、9年0カ月となっています。金利が低い時に、償還までの期間が長い国債を出しておけば、金利が上がっても、しばらくの間は利払い費の上昇を防ぐことができます。

 もっとも、この施策もよいところばかりではありません。金利上昇が予想される中、積極的に超長期債を買ってくれる投資家はあまりいません。基本的に日銀が大量購入することが大前提ですから、金利上昇のリスクは最終的に日銀に転嫁されることになります。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/2/18(水) 2:39
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