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「アメリカ二大政党制の岐路」(3)「動かない連邦議会」に第三政党への期待 上智大学教授・前嶋和弘

2015/1/20(火) 16:00配信

THE PAGE

 民主党と共和党とが激しくぶつかり合い、主要法案の立法は全くといっていいほど動かない状況になっているため、アメリカ国民のいらだちが高まっています。民主党と共和党という2大政党以外に期待する声もありますが、実際に「第三の道」は可能なのでしょうか。

【写真】(2)民主・共和両党の「リベラル」「保守」分極化

米国民の議会への嫌悪感

 アメリカの連邦議会は、いま、大きな過渡期を迎えています。2013年10月に2週間続いた政府機関の一部停止が象徴するように、議会は膠着状態が続いてきました。

 この「動かない議会」という機能不全について、アメリカ国民が非常に批判的であるのは言うまでもありません。実際、国民の議会に対する不満は非常に強くなっており、ここ数年の議会に対する支持率はほぼすべての調査で10%台と非常に低調です。例えば、ギャラップの調査では2013年の議会支持率の年平均は13%と、調査を開始した1974年以来最低を記録しています。2014年の年平均も14%と最低レベルのままです。過去最高だった2001年の56%に比べると40ポイント以上も差があります。

 また、日本では不人気であるとばかりが伝えられるオバマ大統領の支持率は、例えば、2015年1月13日から15日のギャラップ調査の場合、48%ですし、ここ2年間の支持率は40%台をキープしています。大統領以上に現在の連邦議会への嫌悪感とも言える雰囲気がアメリカの中にはあります。

民主・共和の二大政党への不満

 議会への失望を背景に、自分の支持政党についてのギャラップの調査では、民主・共和両党という二大政党ではなく、「独立(無党派)」と回答した数がここ数年4割を超えており、現行の電話による支持政党調査を始めた1988年から最も高い数字を記録しています。また、昨年秋の中間選挙でも議席獲得には至らなかったものの、無党派候補やリバタリアン(自由至上主義)党の候補に高い注目が集まりました。

 アメリカの政党制は、建国してまもない18世紀末ころから現在まで、二つの巨大政党が政治の中心にある二大政党制です。民主・共和両党という巨大政党以外の政党は総称して「第三政党」と呼ばれます。第三政党といっても「三番目に大きな政党(the third party)」ではなく、民主党と共和党ではない政党(third parties)」を意味する極めて弱小政党のことですが、世論調査では国民も第三政党の誕生を希求しており、二大政党への不満が“第三の道”への期待となっているようにみえます。

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最終更新:2015/7/17(金) 4:28
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