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KADOKAWAが希望退職を募集、その背景は?

2015/1/23(金) 7:00配信

THE PAGE

 KADOKAWA・DWANGO(角川・ドワンゴ)の事業子会社であるKADOKAWAは2015年1月16日、300人程度の希望退職者を募集するリストラ策を発表しました。同社は、出版社であるKADOKAWAとネット企業であるドワンゴの統合を昨年の10月に果たしたばかりですが、今回のリストラにはどのような目的があるのでしょうか。

 今回のリストラは、事業の統廃合によって生じた人材の重複を解消することが最大の狙いと考えられます。KADOKAWAは、角川書店を中心に、アスキー・メディアワークス、メディアファクトリー、中経出版など8つのブランドで構成されるメディア企業でした。しかし、これらの各ブランドはそれぞれ独自にコンテンツ事業を展開しており、相互の交流はあまり活発ではありませんでした。この状況を大きく変えるきっかけとなったのが、ネット企業ドワンゴとの統合です。

 ドワンゴは、ニコニコ動画を始めとするネット上のコンテンツ配信インフラを得意とする企業です。KADOKAWAのコンテンツとドワンゴのプラットフォームを組み合わせることによって相乗効果を高めようという戦略です。両者の統合を機に、グループ各社では、事業部門のカベを超えた大胆な人事交流を進めてきました。このような人事を行えば、当然、重複していた業務や人材が浮き彫りになってきます。これらを整理するための措置が今回のリストラ策ということになります。

 希望退職の対象となるのは、3月31日時点において41歳以上で、勤続5年以上の正社員です。実際に退職を決めた人には、特別支援金を支給するとともに、セカンドキャリアプログラムも提供します。現在、同社の正社員は約2000人なので、希望退職の数は全体の15%に達します。同社社員の平均年齢は40歳、年収は640万円程度といわれていますから、平均年齢以上の社員が希望退職の対象になった恰好です。出版事業という性質上、人件費の比率は高いですから、このリストラには一定の効果が期待できるでしょう。

 KADOKAWAの2015年3月期における半期決算は、売上高が前年同期比マイナス2.4%の705億円、営業損益は9.3億円の赤字となりました。デジタル関連の売上げは伸びていますが、紙のコンテンツの落ち込みをカバーするまでには至っていません。ドワンゴの方は黒字となっていますが、ニコニコ動画の会費収入に依存しているという特徴があります。

 今期から両社が統合された決算となりますが、統合後の業績を良好なものにするためには、本業であるコンテンツ事業の足腰をしっかりさせておくことが重要です。今回のリストラ策にどれだけの効果があったのかを正確に見極めるためには、来期の決算まで待つ必要があるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/30(土) 2:54
THE PAGE

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