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<ラグビー>トップリーグ連覇を狙うパナソニックのエースが抱く世界一の野望

2015/1/26(月) 8:00配信

THE PAGE

 ラグビートップリーグのプレーオフ準決勝で、前半16分、序盤の流れを引き寄せるトライを奪ったのは前年度王者、パナソニックの山田章仁(29)だった。南半球最高峰スーパーラグビーへの挑戦を控えるランナーだ。敵陣10メートル線付近左での自軍ボールラインアウトの場面。パナソニックの左ウイングである山田は、スタンドオフのベリック・バーンズの隣に立つ。言葉をかわす。相手守備網で隙間のできやすい位置を確認し合っていた。

 球がバーンズへ渡るや反応。サポート。向こうの守備網を切り裂いた司令塔のパスを受け取った。加速する。目の前のタックルを1人、2人とかわす。歓声を背に、やわらかいフットワークを繰り出す。一気に敵陣ゴール前へ進んだ。

「味方に活かしてもらうポジション。周りが作ったチャンスには敏感でいたいですよね。そのためには普段の練習を含め、常にコミュニケーションを取る」
 普段の口癖どおりの動きで、最後は相手を引きずりながらインゴールを割った。直後のゴール成功などで、パナソニックは17-3とリードを広げた。結局、50-15で東芝に大勝。取材エリアに現れた山田は、自らの得点シーンをこう振り返るのだった。

「違う(場所を攻める)サインも出ていたんですけど、相手の陣形を見て、バーンズとコミュニケーションを取った。目の前のスペースに反応できました」

 2014年末、念願だった海外でのプロ契約締結を発表した。オーストラリアのウェスタン・フォースの一員として、南半球トップクラスのスーパーラグビーの15年シーズンをプレーすることとなった。29歳でのスーパーラグビーのクラブとの契約は、日本人最年長だった。

 時流に乗った側面はある。今度のシーズンから、オーストラリア協会所属のスーパーラグビークラブはいわゆる「日本人枠」を設ける。本来の選手登録上限の35名に加え、1名の日本人を加えられるのだ。山田がその枠内の採用であることを、フォースも公式に伝えている。

 背景には、日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチの存在感があった。元オーストラリア代表監督で、母国での影響力も弱くはない。当の本人も明かしている。
「オーストラリア協会の親友に会いました。ポテンシャルを持った選手にチャンスを与えて欲しいといった話をしたこともあります。何年間か、協議を重ねてきました。広い心で合意してくれた、ということです」

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最終更新:2015/11/8(日) 4:57
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