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ギリシャ総選挙で反緊縮派勝利、ユーロ離脱はありうるか?

2015/1/28(水) 7:00配信

THE PAGE

 ギリシャで25日に実施された議会選挙において、財政緊縮策の見直しを掲げる最大野党「急進左派連合」が圧勝しました。新政権はただちにEUとの交渉に入る見込みですが、最悪の場合、ギリシャがユーロから離脱することになるかもしれません。しかし市場への影響は限定的という見方がほとんどです。それはどうしてなのでしょうか。

 ギリシャは、欧州債務危機が発生して以降、EUからの強い要請で緊縮財政を行ってきました。財政赤字は急激に減少しましたが、一方で景気がなかなか回復せず、2013年まで大幅なマイナス成長が続いていました。2014年にようやくプラス成長に転換しましたが、失業率は25%と高いままです。ギリシャ国民はこうした状況に不満を募らせていたわけです。

 急進左派連合は今回の選挙において、緊縮財政の見直しを公約に掲げ、支持を集めてきました。新政権は公約に基づき、EUに対して債務の減額や返済条件の緩和などについて交渉を始める予定となっています。国民の期待が大きいだけに、新政権は簡単にEUに対して妥協することは難しいでしょう。そうなってくると、最悪の場合には交渉が決裂し、ギリシャがユーロ圏から離脱するというシナリオが現実化してくる可能性があります。

 しかし、こうした事態にもかかわらず市場は思いのほか冷静です。その理由は、新しく首相に就任した急進左派連合のチプラス氏が、EUとは緊縮路線の見直しについては交渉するものの、ユーロ圏にはとどまるとの発言を何度も行っており、ユーロ圏離脱を決断する可能性は低いと認識されているからです。

 また、仮にギリシャがユーロ圏を離脱したとしても、市場に与える影響はやはり限定的といわれています。ギリシャ経済の規模が小さいこともその理由の一つですが、欧州債務危機を発端として、財政破たんに対する危機管理プログラムが整備されたことが市場に大きな安心感を与えています。

 ギリシャのGDPは30兆円しかなく、ユーロ圏全体のわずか2%というレベルです。本来、ギリシャのような国が破たんしても、危機的な状況にはならないはずなのですが、欧州債務危機が発生した当時は、包括的な危機対策プランがなく、市場は疑心暗鬼になっていました。しかし、現在では市場安定化のための多くのプログラムが準備されており、経済規模が小さい国が破たんしても、市場や金融システムに与える影響は極めて軽微に済むようになっています。

 また急進左派連合は、債務削減だけでなく、解雇された公務員の再雇用、労働市場自由化の撤回、最低賃金の大幅な引き上げなど、様々な公約を掲げています。つまりEUとの取引材料は数多くあるわけです。しばらくはギリシャの新政権とEUとの間で、複雑な交渉が続くことになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/7/2(木) 3:23
THE PAGE