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ニュースでよく見る「外国特派員協会(FCCJ)」って何?

2015/2/3(火) 7:00配信

THE PAGE

 最近、外国特派員協会という名前をよく耳にしているかもしれません。浅田真央選手がソチ五輪から帰国して会見を行ったことでも有名ですし、イスラム国に拘束された後藤健二さんの母親が救出を訴えた場所でもあります。ここはどのような組織なのでしょうか。

 外国特派員協会は、終戦直後、占領下の日本を取材に来た従軍記者たちの拠点として、連合国軍総司令部(GHQ)によって設立されました。米国の占領が終了した後は、日本の社団法人となり、外国の報道機関が日本に派遣する特派員の取材拠点として活動を続けています。

 この組織が一躍注目を集めることになったのは、1974年に田中角栄首相(当時)の金銭スキャンダル報道です。日本には記者クラブという独特の制度があり、官庁などが大手マスコミに事務スペースなどを供与し、優先的に情報を提供しています。このため、当局とマスコミでしばしば馴れ合いが発生すると批判されています。

 当時、田中氏の金銭スキャンダルについては、大手マスコミは報道を自主規制している状態であり、唯一、月刊誌「文藝春秋」においてジャーナリストの立花隆氏が追及しているだけでした。外国特派員協会の会見でこの件が取り上げられたことから、大手マスコミが一斉に報道を開始し、結果的にロッキード事件の摘発へとつながっていきました。

 こうした経緯もあり、外国特派員協会は、とかく閉鎖的といわれる日本の報道機関に対するアンチテーゼとしての役割を果たしてきました。また、大手マスコミ以外は入れない日本の記者クラブとは異なり、ニコニコ動画や弁護士ドットコムなどネット系の媒体やフリーのジャーナリストにもオープンにしているという特徴があります。浅田さんがソチから帰国してすぐにこの場所を会見場に選んだのは、こうした部分も影響しているのかもしれません。

 ただ、日本の国際的な地位の低下に伴い、最近では、外国の報道機関から派遣された特派員の活動拠点という位置付けは薄れつつあります。会員数は2000人程度といわれていますが、この中には、ジャーナリストではない人も多数含まれます。協会が入居する東京・有楽町のビルには、レストランやバーなどもあり、ビジネス目的の交流の場としての役割も大きいようです。また、一部の人からは、日本を批判するだけの場になっているという厳しい意見も聞かれます。

 本来、報道とは、様々なスタンスの人が自由に行い、その内容については、情報の受け手が判断・評価すべきものです。もし日本の大手マスコミの報道姿勢がもっとオープンで、様々な見解が報道されているのであれば、同協会のスタンスがここまで目立つこともなかったでしょう。日本の大手マスコミは、ある意味で、外国特派員協会の引き立て役になっているのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/17(木) 4:48
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