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なぜ次代の名捕手は生まれないのか

THE PAGE 2015/1/31(土) 8:00配信

 元ヤクルトの古田敦也氏の殿堂入り発表に、ゲストスピーカーとして参加した元メジャーリーガーの野茂英雄氏が、気になることを言っていた。
「速いタマを投げる若いピッチャーは出てきたけれど、プロのキャッチャー(のレベル)が追いついていない」と。つまり日ハムの大谷翔平や阪神の藤浪晋太郎ら、次代を担う投手は生まれているが、古田氏を追い越すような名捕手が不在だという警鐘である。

 言われてみればそうである。

 2014年シーズンの捕手のベストナインは、セ・リーグが8年連続9回目受賞となる巨人・阿部慎之助で、パ・リーグがオリックスの快進撃を支えた伊藤光が初受賞した。ゴールデングラブ賞も、この2人の受賞となった。だが、阿部は、今季から一塁へコンバートされることが決まっている。名捕手の一人、中日の谷繁元信兼任監督も44歳。昨季の試合出場は100試合を切った。現在、侍ジャパンの正捕手は楽天の嶋基宏だが、古田氏ら名捕手と呼ばれた選手の現役時代と比べると攻守に物足りない。そして名捕手どころか、どのチームも正捕手にさえ汲々しているのが現状だ。

 セ・リーグから見ると巨人も2年目の小林誠司一人では、まだ不安だとヤクルトからベテランの相川亮二を獲得した。中日も谷繁の後継者に困っている。阪神は、梅野隆太郎という打撃にパンチと意外性を持つルーキーが出てきたが、後半戦は攻守共に壁にぶちあたって、藤井彰人、鶴岡一成というベテランを使い回している。
 ただ、ヤクルトと広島は、期待のレギュラーが台頭してきた。ヤクルトの中村悠平と広島の會澤翼だ。會澤は、球団史上4人目となる2桁本塁打を記録してベテランの石原慶幸からポジションを奪い取ろうとしている。

 パ・リーグに目を向けるとオリックスの伊藤光が打率.257、ホームラン3本、48打点の数字を残して目立った。日本一となったソフトバンクは、ベテランの細川亨を鶴岡慎也がカバーしている体制だが、95試合に出場した細川の打率は1割台で勝ったチームからベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得する捕手が出なかった。
 西武は、炭谷銀仁朗に2年目の森友哉。森が6本塁打を記録して存在感を示したが、田辺監督曰く「守備がまだまだ。投手の信頼もできていない」という状況だ。
 苦しいのは、日ハムとロッテ。日ハムは、大野奨太が89試合、2年前に巨人から金銭で獲得した市川友也が47試合に先発マスクをかぶったが、大野の打率は1割台。さらに深刻なのはロッテで、吉田裕太、田村龍弘、江村直也ら3人が入れ替わり立ち替りでマスクをかぶっているが、打率で.230を超えるのは一人もいない。

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最終更新:2016/2/7(日) 2:48

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