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スカイマーク経営破綻の背景まとめ ── 出資交渉まとまらず資金繰りに苦慮

2015/1/30(金) 18:47配信

THE PAGE

 経営不振に陥っていた国内航空3位のスカイマークが1月28日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、経営破たんしました。同社は当面、運航を続けながら、裁判所の管理のもとで再建を目指すことになります。

「会社更生法」と「民事再生法」何が違うの?

 スカイマークは、日本におけるLCC(格安航空会社)のさきがけとなった企業です。1996年に事業を開始し、低価格を武器に急成長してきました。しかし、本格的なLCC時代を迎え、低価格路線の競争が激化。対抗策として、超大型旅客機A380を使った本格的な国際路線への進出を計画しますが、これが完全に裏目にでます。同社は、エアバス社に対してA380を6機発注し、前払い金として約260億円の支払いを行ったのですが、円安による燃料費の高騰で、業績が急激に悪化してしまいました。

 同社の支払い能力に疑問を持ったエアバス社が、A380の契約解除を通告し、最大で約800億円の違約金を請求する可能性が出てきました。単独での経営再建が難しいと判断した同社は、投資ファンドと出資に関する交渉を続けるとともに、JALとANAの大手2社と共同運航する計画を打ち出しました。しかし、出資交渉がなかなかまとまらず、資金繰りに苦慮するようになります。同社の2016年3月期の業績見通しは137億円の赤字となっており、9月末時点では現金が46億円まで減少。不測の事態を避けるため、この段階での民事再生の申請になったものと考えられます。

 経営破たんの責任を取り社長を辞任した西久保愼一氏は、2003年、経営難に陥っていた同社に私財数十億円を投じ、再建を果たした人物です。徹底的なコスト削減策を実施し、一時は同社を高収益企業に変貌させました。一方で、厳しい労働環境から離職者が続出するなど、西久保氏の経営手法をめぐっては批判の声もあります。

 西久保氏は自身の資金で経営を再建させたということもあって、無借金経営をモットーとしていました。しかし、結果論とはいえ、銀行からの支援が得られなかったことが、今回の資金繰りの悪化に大きく影響したと見る関係者も少なくありません。トヨタ自動車に代表されるように、一般に無借金経営は市場で高く評価されています。しかし、銀行からの過剰な融資で、経営危機に陥りながらも長期間破たんを免れることができた企業も数多く存在することを考えると、どちらがよいのかは何ともいえません。

 新社長には、ベンチャーキャピタル出身で常務を務めていた有森正和氏が就任しました。有森氏はANAなど航空大手からの出資については「独立を貫きたい」として慎重な姿勢を示しています。現在、投資ファンドから支援を受ける方向性で検討を進めています。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/7(日) 3:06
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