ここから本文です

シャープ赤字転落の影に「ジャパンディスプレイ」の存在

2015/2/4(水) 7:00配信

THE PAGE

 業績が回復していると見られていたシャープですが、思わぬ展開となっています。同社は2015年3月期決算において、300億円の黒字という従来予想から一転、300億円の赤字に転落する見通しを明らかにしました。同社の主力製品であるスマホ向け液晶パネルの不振が原因なのですが、その背後には、日本政府が支援し再生を果たした「ジャパンディスプレイ」の存在があるといわれています。

ジャパンディスプレイってどんな会社?

 同社が赤字転落した直接的な原因は、主力製品であるスマホ向け液晶パネルで苦戦したことです。主要取引先であった中国の携帯電話メーカー「シャオミ(小米)」向けの販売が予定通り進まず、大幅な赤字となってしまいました。市場では驚きの声が上がっていますが、業界関係者の中では、以前からこのような事態になることはある程度予想されていました。それはジャパンディスプレイがシャープと市場を食い合ってしまっているからです。

 ジャパンディスプレイは、日本の製造業復活を掲げ、政府が中心となって、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合し、発足させた日の丸液晶メーカーです。政府系ファンドの産業革新機構が国費2000億円を投入し、2014年3月に鳴り物入りで株式を上場させました。

 しかし、初値は公募価格を15%も下回り、上場1カ月後には、いきなり業績の下方修正を発表、さらに6カ月後には2回目の業績下方修正を発表するという前代未聞の事態となりました。同社は業績を回復させるべく、営業攻勢をかけ、シャオミから液晶パネルに関する大型受注を獲得することができたといわれています。しかし、そのあおりを食らったのがシャープです。シャオミ向けの製品出荷をあてにしていた目論見が外れ、他の取引先の開拓も進まず、赤字転落となってしまいました。

 液晶パネルは、付加価値の低いコモディティ商品ですから、どうしても、韓国メーカーや台湾メーカーとの価格勝負になってしまいます。また液晶を大量に購入してくれる顧客は、韓国のサムスン電子、米国のアップル、台湾の鴻海精密工業などごく限られており、その中での顧客の奪い合いとなります。シャオミは中国で急成長している携帯電話メーカーですが、結果的にシャープとジャパンディスプレイで同社を取り合うことになってしまったわけです。

 こうした事態に陥ることは、ジャパンディスプレイが発足した当初から分かっていたはずですが、本格的に議論された形跡はありません。日本の製造業復活を掲げて、政府が特定の企業を支援したとしても、飽和状態となっている市場全体の環境を変えることはできないのです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/18(木) 3:17
THE PAGE