ここから本文です

配偶者の収入増加は好ましいこと? やむなく家族総出で働く時代に

2015/2/7(土) 7:00配信

THE PAGE

 円安で輸入物価が上昇しているにもかかわらず、収入が増えないことから、庶民の家計は苦しくなっているといわれます。そのような中、奥さんがパートの仕事を増やしたり、子供があらたに働きに出るケースも増えているようです。

 総務省の家計調査によると、2人以上の世帯における12月の実収入は92万4911円でした。12月はボーナスもありますから、普段の月より収入額が多くなる傾向が見られます。しかし前年同期で比較すると、実質0.8%のマイナスとなっており、減少は15カ月連続です。家計の実質的な収入は減り続けていると考えてよいでしょう。

 反対に金額が大幅に増加したのは、配偶者の収入と他の世帯員収入です。配偶者収入は一般的な専業主婦家庭でしたら、奥さんがパートなどに出て働いた収入ということになります。他の世帯員収入は、詳細は不明ですが、独立した世帯を構えていない子供や年老いた親などが該当すると考えられます。

 配偶者の収入は10万3686円となり、名目で8%、実質で5%の増加となりました。実質で増加となるのは17カ月ぶりのことです。他の世帯員収入は、1万5665円となっており、名目で21.4%、実質で18%の増加でした。実質で増加するのは14カ月ぶりのことです。

 配偶者の収入が増加していることについては、定職に就いている女性の収入だけが急に上昇するというのは考えにくいですから、やはりパートなどの労働時間を増やした結果と考えられます。消費増税で家計が苦しくなり、さらに年末になって何かと出費がかさみ、仕事時間を増やした様子が窺えます。

 さらに注目すべきは他の世帯員収入の増加でしょう。他の世帯員の内訳はないので詳細は不明ですが、高齢者が急に仕事を見つけることは難しいですから、この多くは同居している子供と考えられます。家計の助けになるよう、アルバイトなどを増やした可能性があります。

 工場での大量生産を前提にした単純な製造業の時代には、男女間で役割分担が行われることについて、ある種の合理性がありました。しかし、社会が成熟しサービス産業の割合が上がってくると、男女ともに働いた方が労働市場での需給をうまくコントロールできるようになります。安倍政権も女性の社会参加を促す政策を実施しています。

 しかし、この調査結果を見ると、女性が前向きに労働市場に出てきたというよりは、家計が苦しいため、やむなく仕事を増やし、子供も家計の助けになるよう働いているということになります。これは本来の主旨とは少し異なった形での労働市場の変化ということになるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/10(木) 3:48
THE PAGE