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手紙などの「信書」配達はなぜ実質、日本郵便だけなのか?

2015/2/10(火) 15:00配信

THE PAGE

 ヤマト運輸は先月、「クロネコメール便」を今年3月31日の受け付け分をもって廃止することを発表しました。

 同サービスは、受領印を必要としないチラシやパンフレットについて、新聞受けや郵便受けなどに投函・配達するもの。このとき、手紙やはがきなどの「信書」をメール便で送ると、輸送した業者だけでなく、輸送を依頼した個人などの送り主も「郵便法」違反と見なされてしまいます。信書とそれ以外との区別があいまいとの指摘もある中、2009年7月以降、利用者が信書にあたる文書を送付し、郵便法違反容疑で書類送検もしくは警察から事情聴取されたケースは計8件。ヤマト運輸は公式発表で、こういった懸念が廃止の主な理由としています。

 そもそも信書の配達がなぜ法律違反になってしまうのか。信書の定義と合わせてその背景を整理してみましょう。

「信書」と「非信書」の違いは?

 信書は「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」と、郵便法や信書便法に定義されています。具体的には、手紙や請求書、許可証、領収書、証明書などが該当します。一方、「信書でないもの」としては、新聞や雑誌などの書類、小切手類、プリペイドカードなどがそれにあたります。

 しかし、「信書」と「非信書」は、同一文書であっても輸送の段階で定義が分かれるなど、利用者や民間輸送業者が信書かそうでないかを判断するのは極めて難しいとされています。例えば以下のようなケースで区分が分かれます。

■ダイレクトメール
文章中に個人名を印刷→信書
個人名を入れない→非信書

■履歴書
応募者から企業へ送る→信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示しているため)
企業から応募者へ返送→非信書(差出人の意思表示も事実の通知も終わっている文書であるため)

条件を満たせば民間もOKになったが

 現行の郵便法では、第4条で日本郵便以外の事業者が信書を送ることを原則禁止しています。しかし、2003年4月1日、郵政事業の公社化に合わせ、民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)を施行。これに伴い、同法の許可制度によって民間事業者が信書便事業へ参入できるようになりました。

 信書便事業には、手紙やはがきなどを扱う「一般信書便」と、電報サービスなどを扱う「特定信書便」の2種類があります。しかし、それぞれ参入のための規制条件が厳しく、前者は事実上日本郵便の独占、後者はバイク便などの急送サービスに限られています。

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最終更新:2016/2/17(水) 2:33
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