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JR九州上場へ、政府からの援助はどこまで許容されるのか

2015/2/12(木) 12:00配信

THE PAGE

 九州旅客鉄道(JR九州)が完全民営化と株式の上場に向けて動き出しました。しかし完全民営化に向けては課題も多く、本当に公平な形で完全民営化を実現できるのか疑問視する声もあります。

 JR九州は現在、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が株式の100%を保有する特殊会社です。さらに同社はJR会社法の対象であることから、長期借入金、代表取締役等の選任、重要財産の処分などにおいて国土交通大臣の認可が必要となっています。つまり国が所有し、重要な決定事項はすべて大臣の認可が必要な事実上の国営企業なわけです。

 国土交通省は、JR九州の完全民営化に向けたプロジェクトチームを省内に設置し、完全民営化における課題などについて検討を進めてきました(あくまで省内のチームであり国土交通省の職員が主な構成員です)。

 プロジェクトチームのとりまとめによると、同社は連結決算で200億円規模の安定した経常利益をあげており「一般的な民間会社と比べても遜色ない利益水準にある」ことから、完全民営化を実施し、株式を上場するのが適当であると結論付けています。

 しかし現実問題として、JR九州は直接的、間接的に国から様々な支援を受けています。もっとも重要なのは実質的な利益の補填でしょう。

 JR九州、JR四国、JR北海道の3社(いわゆるJR三島会社)は経営体質が脆弱であることや、不採算路線が多いことなどから、民営化に際して、経営安定基金と呼ばれる特殊な基金が設置されました。この基金は、多くが、株主である鉄道・運輸機構に特別に高い金利で貸し付けられています。つまり、JR九州は実質的に税金で利益の補填が行われているわけです。この状態で完全民営化や株式の上場を行う事は困難ですから、とりまとめでは基金の清算について言及しています。具体的には、九州新幹線の施設を保有する鉄道・運輸機構に対して、線路などを借りる代金を前払いしてしまい、今後30年間はタダで利用できるようにするといった措置が検討されています。

 この措置によって、経常利益は多少減少する可能性がありますが、JR九州は、JR四国とJR北海道に比べれば収益性は高い会社ですから、鉄道事業以外の付帯事業と組み合わせることで、上場企業として十分な利益を上げられると判断したと考えられます。

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最終更新:2016/2/22(月) 3:52
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