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東京の弁当路上販売が消える? 本当に安全性が問題なの?

2015/2/16(月) 7:00配信

THE PAGE

 オフィス街などではお馴染みとなっている弁当の路上販売が消えてしまう可能性が出てきました。東京都議会が今年の定例議会で条例の改正案成立を目指しているからです。

 東京都心などのオフィス街では、お昼の時間帯に弁当を路上売りするのは日常的な光景となっています。多くが500円以下のワンコインで購入できるので、昼食代を節約したいサラリーマンには大人気です。こうした路上販売は、原則として届け出が不要で、食品衛生管理者の確保も必要ありません。家計の実質収入が減る中、価格が安い弁当の路上販売が急増してきたわけです。

 しかし東京都は、日光があたりやすい路上では雑菌が繁殖し、食中毒が起こりやすくなるとして規制強化を検討しています。条例が改正されると、路上販売は認可制となり、通常の飲食店に近い形の衛生管理が求められることになります。場合によっては多くの路上販売が撤退を余儀なくされる可能性が出てきています。

 この規制強化に対しては、衛生管理はしっかりすべきなので評価するという声がある一方、条例強化は別なところに狙いがあるのではないかとの指摘もあります。それは、店舗を構える既存の飲食店への対応です。

 規制の必要がない路上販売に比べて、店舗を構える飲食店の経費負担はかなり重いというのが現実です。多額の初期投資が必要なうえ、店舗の借り上げ費用や、規制に沿った衛生管理を行うための費用など、日常的なコストもかさみます。道路という公共インフラを路上販売者に無制限に使われてしまっては、不利な競争を強いられるという面があるのは確かでしょう。

 本来、こうした問題は双方の利害関係者がオープンな形で議論を行い、最終的には国民がその是非を決定すべきものです。道路は国民の税金で作られた公共物ですから、その商用利用について一定の規制をかけることは合理的な判断といってよいでしょう。諸外国でも、路上販売に規制のある所は少なくありません。

 しかし、今回の東京都の対応は、なぜか安全性に問題があるというところにばかり終始しており、路上使用の是非についてはあまり議論の対象となっていません。今のところ弁当の路上販売が原因で食中毒を起こしたケースは把握されておらず、安全性を理由にいきなり規制の議論を行うというのはいささか無理があります。

 真偽の程は定かではありませんが、特定の事業者からの要望でこうした規制が議論されているのだとすると、本来、必要不可欠な規制についてまで色眼鏡で見られてしまうことにもなりかねません。こうした問題については、もっと時間をかけオープンに議論をすることが重要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/8/21(金) 3:56
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