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銀行の電子マネー市場参入はどうなる?

2015/2/15(日) 7:00配信

THE PAGE

 銀行が電子マネーやネット通販の決済など、銀行以外の事業に参入できるようにしようという動きが活発になっています。利用者の利便性向上が期待できる反面、産業界に対する銀行支配が強まったり、銀行経営が不安定になるというリスクもあります。

 報道によると、金融庁は、銀行が事業会社に出資する際の上限を5%に制限した、いわゆる「5%ルール」に関する規制を緩和し、柔軟に出資ができるよう、銀行法を改正する準備に入ったそうです。2016年の通常国会に改正案を提出し、同年中に一部施行することを目指します。

 銀行は、預金者から大切な預金を預かっており、銀行業務以外の事業によって経営の健全性が損なわれることがないよう、一般事業会社に対する出資は厳しく制限されています。しかし銀行がもっと自由に事業を展開できるよう、規制緩和を求める声が銀行業界から上がっており、金融庁では検討を進めてきました。今回、この5%ルールの撤廃対象に、決済事業者などに対する出資を盛り込むことが検討されているわけです。

 銀行がこうした事業者に出資すれば、ネット通販での決済がよりスムーズになったり、ATMで電子マネーをチャージするといったことができるようになります。

 しかし、銀行が一般事業に進出することついては否定的な意見もあります。銀行は利用者の預金を預かる立場であり、安定的な経営を行うことが求められます。銀行業務以外に進出し、その事業が失敗して預金者の財産に影響が及ぶことは本来あってはならないことです。

 また、銀行は、独占的に預金を集めて、これを企業に融資することができます。企業にとっては融資を受けられるかどうかは死活問題ですから、銀行は企業の生殺与奪の権を握っているわけです。このような企業が自由に一般事業に参入してしまうと、適切な競争をゆがめてしまう可能性があります。このため、銀行が他の事業に進出したり、事業会社の株式を保有することは法律で厳しく制限されているわけです。

 銀行に新しい決済サービスなどへの出資を認めてしまうと、銀行がライバルになりそうな企業を囲い込んでしまうかもしれません。このあたりのバランスをどうするのかについては、さらに議論を深めていく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/3/18(水) 2:37
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