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<ラグビー日本選手権>東芝に敗れた帝京大が見せた学生の限界と可能性

2015/2/15(日) 22:03配信

THE PAGE

 大学選手権6連覇中の帝京大は、後半に粘った。国内最高峰のトップリーグで常に上位を争う東芝から、大外を攻略してのトライを3つも奪った。

なかでも14分にインゴールを割った1年生ウイングの尾崎晟也は、「相手はプレッシャーをかけてくる(前に出る)。そこを上手くかわせばチャンスはあると思っていた」。前に出る守備網の裏側にパスを通す…。戦前から想起していた得点方法を、疲れの出る試合終盤に具現化したのである。スタンドを沸かせた。

 2015年2月15日、東京・秩父宮ラグビー場での日本選手権2回戦だ。8日に同じ場所で9季ぶりの国内最高峰のトップリーグ勢撃破を成し遂げていた帝京大は、しかし、史上初の同2連勝はならなかった。終盤に追い上げるも及ばず、24-38で屈した。

――肉弾戦での感触は。
「そこまで強いプレッシャーがあったかといえば…」
 来季主将のフッカー坂手淳史は即答した。31-25で制したNECとの1回戦と同様、ぶつかり合いではほぼ互角だったと強調するのだ。仲間、さらに東芝の面子もそれを認める発言を重ねていた。

 ただ坂手は、こう認めることも忘れない。「ジャッカルの部分(ボールへの絡み)が上手かった。(接点への寄りが)速かった」。単純な力比べでは引けをとらなかったが、いくつかのせめぎ合いで大人たちの集中力と巧さを真に受けたという。

 前半7分頃のチャンスロスが最たる例だろう。敵陣ゴール前で接点を重ねるなか、対するロックの梶川喬介とフランカーのタネラウ・ラティマーに押さえ込まれる。そのまま球を獲られた。

 セットプレーではさらに苦しんだ。
 1回戦でのミス連発から基本動作を見直したラインアウトは、自軍ボールでは要所の失敗に泣き、相手ボールでは塊に気圧された。

 梶川とラティマーが魅せたシーンから遡り、試合開始から2分が経過した折だ。

 まず、敵陣中盤左の東芝ボールラインアウトからモールを押し込まれる。スクラムハーフ小川高廣のキックなどで自陣22メートル付近右まで立ち位置を下げられると、帝京大ボールラインアウトを相手に競られる。ボールを手渡す。そのまま前半3分、先制点を献上していた。「ラインアウトは全体としてはうまく行った」と語る坂手だが、「あそこに関してはかみ合わなかった」と認めた。

 スクラムでは、「相手にプレッシャーをかけられることが多かった」と帝京大の最前列中央を担う坂手。時折、故意に崩すコラプシングの反則を取られた。対する東芝の最前列左、日本代表23キャップのプロップ三上正貴は、「こっちの圧力で相手の姿勢が崩れていた。それを持ち上げて、コラプシングさせないで、押したりしていた」。学生は、端的に力量差を見せつけられた格好だろう。

 プレーの起点でのかような力関係に影響され、帝京大は5-21とビハインドを背負いハーフタイムを迎えた。
 点差が開いてから次々と先発を交代させた東芝には、持ち前の攻撃力を示すことができた。しかし、「もっと、できたと思いました」。スタンドオフの松田力也は悔し涙を流すのだった。この日、相手の正面を突くキックで前半25分の失点を呼んでいた。

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最終更新:2016/2/24(水) 4:12
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