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<インド>不可思議な風景 ── 高橋邦典フォト・ジャーナル

2015/2/15(日) 21:00配信

THE PAGE

 この国では、町を歩けば不思議な光景にでくわすことが珍しくない。デリーの東部を流れるヤムナ川の岸辺を歩いていると、巨大なボンベの如き物体に遭遇した。何かのタンクだろうか、さすがに武器のたぐいではないと思うが、なんとも不可思議な形でやたら大きい。錆びで覆われているし、流されてこの場所に打ち上げられてから、長いこと放置されているのかもしれない。

 結局この物体の正体がわからぬまま丘に上がると、今度は律儀に並べて干されている大小のジーパンとシャッツが目に入ってきた。干し竿代わりになっているのが、なんと警察の道路封鎖用バリケードだ。近くに家などみあたらないから、野宿一家のものか?確かにこの辺りには洗濯物を干すのに適した場所はみあたらないので、このバリケードはうってつけともいえるのだが…。

 それにしても、変に想像力をかきたてられて、毎日外出しても飽きることがない。それがインドの風景なのだ。

(2014年11月)

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高橋邦典 フォトジャーナリスト
宮城県仙台市生まれ。1990年に渡米。米新聞社でフォトグラファーとして勤務後、2009年よりフリーランスとしてインドに拠点を移す。アフガニスタン、イラク、リベリア、リビアなどの紛争地を取材。著書に「ぼくの見た戦争_2003年イラク」、「『あの日』のこと」(いずれもポプラ社)、「フレームズ・オブ・ライフ」(長崎出版)などがある。ワールド・プレス・フォト、POYiをはじめとして、受賞多数。

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最終更新:2015/4/18(土) 4:05
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