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GDPが3四半期ぶりにプラス、これをどう見るか?

2015/2/19(木) 7:00配信

THE PAGE

 10~12月期のGDP(国内総生産)速報値が16日、発表されました。物価の影響を除いた実質GDP成長率はプラス0.6%(年率換算プラス2.2%)となり、3四半期ぶりにプラスとなりました。このところGDP成長率は、消費増税の影響などからマイナスが続いていたのですが、今回の結果はどう考えればよいのでしょうか。

 GDP成長率を見る際に気をつけなければならないのは、どこからの比較なのかという点です。実質GDP成長率は、通常季節調整済みの数字が用いられますから、0.6%といった場合には、その前の期からの比較ということになります。つまり、今期(10~12月期)の数字は、前期(7~9月期)と比べて0.6%成長したということになります。

 2014年全体を見てみますと、1~3月期はプラス1.3%、4~6月期はマイナス1.7%、7~9月期がマイナス0.6%でした。実際の数値では、1~3月期は535兆円、4~6月期は526兆円、7~9月期は523兆円、そして今回(10~12月期)は526兆円となっています。確かに7~9月期と比較するとプラスですが、1~3月期の数字をまだ回復していないわけです。

 今回のプラスはマイナスが2回続き、大きく下落した後のプラスですから、単純にプラスになっていればよいというものではありません。前回、前々回のマイナスを埋めているのかという視点が重要であり、その点においては、今回のプラスは不十分という解釈が妥当でしょう。

 注目されていた個人消費ですが、前期と同様、プラス0.3%と低い伸びにとどまりました。消費増税や円安によって物価が上昇しているにもかかわらず、賃金はそれほど上がっていませんから、消費者の購買力は相対的に低下しています。現状ではこの程度の伸びが限界と考えられます。

 もっとも伸びが大きかったのは公共投資で、プラス0.6%となりました。これまでの経済成長のほとんどは公共事業の積み上げによるものであり、今回もその傾向が続いています。

 しかし、今後も公共事業で景気が拡大するのかというとそうでもありません。現在、国会では2015年度予算が審議中ですが、今年度の予算案は基本的に緊縮型となっており、社会保障費と防衛費以外は軒並みマイナスです。公共事業は何とか横ばいを維持していますが、大型の補正予算が組まれない限り、あまりアテにできないでしょう。

 アベノミクスの第1の矢と第2の矢である金融政策と財政政策はかなり限界に近づいています。今年の景気は、アベノミクス第3の矢を確実に実施できるのかにかかっています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/7/31(金) 3:32
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