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無限の可能性を秘めている? 海洋エネルギー発電の実力はどんなもの?

2015/3/2(月) 14:00配信

THE PAGE

 日本は四方を海に囲まれた国です。海のエネルギーを電力に変える海洋エネルギー発電に注目が集まります。無限の可能性を秘めているとも言われますが、どんな種類があって、実力はどれほどでしょうか?

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 海洋エネルギー発電には、海の干満の差を利用した「潮汐力発電」をはじめ、海の表面に近い温かい水と深海の冷たい水の温度差を利用して発電する「海洋温度差発電」、海流の力を利用して発電する「海流発電(潮流発電ともいう)」など、海のどんなエネルギーを利用し、どう電気を作るかによっていくつもの種類があります。いまのところ商用に乗っているのは潮汐力発電だけです。

商用運転に実績がある潮汐力発電

 まずは潮汐力発電をみてみましょう。満潮、干潮というように海面の高さは常に変化しています。この高さを利用して発電するのが潮汐力発電です。満潮時に海水を堤防内に貯めて、海面が低くなった干潮時に水門を開いて水を放出し、発電機を回します。

 世界最大の潮汐力発電所は、韓国にある「始華湖(シファホ)潮汐発電所」です。2011年に発電を開始しました。発電能力を表す出力は25万4000キロワット。フランスの「ランス潮汐力発電所」は、1967年から発電しており、出力は24万キロワットあります。いずれも年間の平均潮位差が8メートル以上と地形に恵まれています。

 いずれの発電所も出力は大きいように見えますが、潮の満ち引きは一日に1、2回です。自然の原理として、一日に発電できる回数は限られているので、一日中発電しているわけではありません。また、実用化の目安となる干満の差は5メートルで、日本では有明海付近の3.5メートルが最も大きく、日本では海外のような高低差を得るのは難しいと言われています。

研究開発が進む波力発電

 潮汐力発電が一日の決まったタイミングでしか発電できないのに対して、一日中発電できるが、波力発電です。波力発電は読んで字のごとく海の波の力を使います。波の力を使うというところでは共通していますが、発電の方法は実にバリエーションに富んでいます。

 世界中で広く普及しているのが「振動水柱型」です。海面の高さは波によって上下します。この上下動によって生じる空気圧を利用し、タービンを回転させて発電します。出力は30~60ワットと小さいですが、航路標識用ブイの電源として使うには十分です。

  打ち寄せてきた波を貯水池に溜めて、貯水面と海面との高低差を利用して発電する方式が「越波(えっぱ)式波力発電」です。波が高い場所で有利な発電方法です。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されており、協立電機が静岡県で実用化に向けた取り組みを進めています。

 海岸の岩場にある潮吹き穴(ブローホール)を人工的に再現して、波の上下動で発電する発電が「ブローホール式発電」です。福井県越前町行われた研究では、直径1.4m、長さ約50mの人工ブローホールを3本作り、最大30キロワットを発電しました。

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最終更新:2016/2/13(土) 3:49
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