ここから本文です

スカイマーク再生、どうして引く手あまたなのか?

2015/2/26(木) 18:00配信

THE PAGE

 経営破綻し、民事再生手続き中の航空会社「スカイマーク」の再建に多数の会社が名乗りを上げています。オリックスや新生銀行など、航空業界とは関係ない会社もあるのですが、なぜ同社はここまで引く手あまたなのでしょうか。

 スカイマークは、日本におけるLCC(格安航空会社)のさきがけとして1996年に事業を開始しました。低価格を武器に急成長しましたが、本格的なLCC時代を迎え、競争が激化。同社は、超大型旅客機A380を使った本格的な国際路線への進出を計画します。しかし、円安による燃料費の高騰で業績が急激に悪化してしまい、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。

 民事再生法では裁判所の管理の下、新しいスポンサーを探すことになるのですが、驚くほど多くの企業が支援に名乗りを上げています。国内大手のANAや、マレーシアのLCCであるエアアジアといった航空会社をはじめとして、もともと同社の設立母体であった旅行代理店のエイチ・アイ・エス、さらには金融大手のオリックスや新生銀行、商社の双日やタクシー会社の日本交通など多岐にわたります。

 同社にこれほどの人気が集まっているのは、ドル箱である羽田空港に発着枠を持っているからです。ANAが同社をグループ化すれば、2社の共同運航が可能となり、自動的に羽田路線を獲得できるわけです。エアアジアも同様でしょう。日本の航空行政は閉鎖的ですから、外国企業がゼロから参入するのは大変です。資本参加できれば、そのための時間を短縮することが可能となります。

 それ以外の会社も、スカイマークが持つ羽田発着枠をうまく活用すれば、十分に再生可能であると判断しているからこそ、異業種も含めて支援の申し出が殺到しているわけです。

 しかし、逆に考えれば、これほどまでに潜在力がある会社ならば、本来なら倒産することなく、再生することができた可能性が見えてきます。業績悪化の責任を取って辞任した同社の西久保前社長は、倒産させた張本人であるとはいえ、この会社のために私財100億円を投じています。本来、再生できるかもしれなかった企業が倒産してしまい、倒産後に支援の申し出が殺到している不可解な状況について、一部の市場関係者からは、日本の資本市場は適正に機能していないのではないかと指摘する声も出ています。

 日本の航空輸送業界は、政府の規制が多く、閉鎖的で効率が悪いといわれています。このため日本の航空運賃は諸外国に比べてかなり割高となっています。スカイマークの再生を通じて良好な競争環境を構築できるのかどうかは、今後の日本の空を占う試金石といえるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/4(木) 4:16
THE PAGE