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NHK籾井会長発言で注目、NHK会長ってどんなポスト?

2015/2/27(金) 7:00配信

THE PAGE

 NHK会長である籾井勝人氏の発言が再び話題となっています。籾井氏は2月5日の会見で、戦後70年の関連番組において慰安婦問題を取り上げるかどうかについて「慰安婦の問題は政府のスタンスが見えないので、放送は慎重に考える」と発言。NHKの経営計画を聞く民主党の会議において、議員が籾井氏に発言の真意を問うという事態となりました。さらに籾井氏が、この会合について「くだらない」と発言したことで、民主党議員と口論になるという一幕もありました。

 NHKの会長には、しばらくの間、内部昇格者の就任が続いていましたが、2008年からは外部出身者が連続して会長に就任しています。籾井氏は三井物産から日本ユニシスの社長を経てNHKの会長に就任していますから、やはり外部の出身者ということになります。

 NHKは放送法に基づいて設立された特殊法人ですから、一般の民間企業とは経営形態が少し異なります。NHKの経営について最終的な権限を持っているのは、12名の委員からなる経営委員会です。現在、経営委員長にはANA出身の浜田健一郎氏が就任しています。

 経営委員会はあくまで、業務遂行に対する監督が主な仕事ですから、実際の業務を管理するのは理事会となります。理事会は会長、副会長に加え10名の理事から構成されていますが、籾井氏以外のメンバーはすべて内部昇格者となっています。

 一般の民間企業とあえて比較すれば、経営委員会は、取締役会と株主総会の一部を兼ねた機能を持ち、理事会のメンバーは執行役員といったところになるでしょう。実際の業務に近い立場にいるのは理事会ですから、NHKが行う日々の業務に対して強い影響力を持っているのは理事会の方です。したがって、籾井氏もNHKの報道について大きな影響力を持っているということになります。

 NHKは公共放送という位置付けになっており、国営放送とは明確に区別されています。理屈の上では政府の仕事を行っているわけではなく、民主党が問題視したのもその点だと考えられます。ただ、経営委員は、国会の同意を得て、内閣総理大臣が任命しますから、時々の政権との関係性がどうしても深くなります。会長は経営委員会によって選ばれますので、やはり会長人事も政権からの影響を大きく受けるわけです。

 内部昇格者がNHK会長になっていた時代は、政治的な中立が保たれていたという指摘もあります。実際、当時の会長らは籾井氏のようにダイレクトに政治的な発言をすることはありませんでした。しかし、島桂次元会長が国会の虚偽答弁で辞任に追い込まれるなど、外部からのチェックが働かなくなるという問題も指摘されていました。また自民党の派閥抗争と会長人事が密接に関連するなど、永田町と持ちつ持たれつの関係であったことに変わりはありません。NHKを完全に中立に運営するというのは、現実には不可能に近いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/13(土) 4:14
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