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日本国債の海外保有急増、これはメリットかリスクか?

2015/2/27(金) 16:41配信

THE PAGE

 日本国債の外国人による保有が急増しています。国債購入者の間口が広がることは、国債の安定消化につながりますが、短期的な売買を繰り返す外国人投資家もいますから、金利が不安定になるリスクもあります。

 財務省のまとめによると、2014年の外国人投資家による日本国債の購入額は約13兆4000億円でした。2013年末の国債の外国人保有残高は82兆円でしたから、90兆円を突破しています。これまでも10兆円を超える資金が流入したことはありましたが、多くは短期債でした。今回の動きは、短期債ではなく償還までの期間が長い、中長期債に偏っているのが大きな特徴です。

 外国人投資家が日本国債を購入しているのは、欧州を中心にインフレ率の低下が懸念されており、投資家のポートフォリオの見直しが進んでいることが原因と考えられます。日本も低金利ですが、欧州の利回りが低下したことから、一部の投資家は国債を売却しており、とりあえず安全資産として日本国債を購入した可能性があります。

 日本は貯蓄率が低下しており、国内での国債消化余力が減少しつつあります。政府は以前から、日本国内の投資家だけに頼らなくても済むよう、投資家の間口を広げる政策を進めてきました。多様な投資家が国債を買うことは、国債の安定消化につながりますから、これはプラスに評価してよいでしょう。

 ただ投資家層が多様化するということは、いろいろな目的を持った投資家が日本国債を購入するということも意味しています。満期まで保有して金利を獲得するという目的ではなく、利ざやをかせぐ目的で保有する投資家も存在しているはずです。こうした投資家が多くなりすぎると、国債の価格が不安定になりやすくなるという欠点もあります。

 日銀は現在量的緩和策を実施しており、大量の国債を市場から買い上げています。今の問題は、国債が消化できないことではなく、むしろ日銀が買う国債が不足するという事態の方でしょう。しかし、量的緩和策は永遠に継続できる政策ではなく、いつかはこの政策をやめるときがやってきます。日銀が量的緩和策を終了すれば、金利の上昇が想定されますが、このときに中長期債を保有している外国人投資家が日本の財政問題を懸念し、大量に国債を売りに出してしまうと、金利が急上昇するリスクがあります。

 こうした事態が起きないようにするためには、日本の財政が健全であることを内外にしっかりと示していく必要があります。外国人保有高の増加をきっかけに、日本は財政問題について、もっと議論を深めていく必要があるでしょう。
 

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/5/12(火) 3:41
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