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米利上げとドイツ株価好調で世界経済はどうなる?

2015/3/16(月) 7:00配信

THE PAGE

 米国が利上げに向けてカウントダウンを始めました。一方、ECBが量的緩和策に踏み切ったことで、ドイツをはじめとする欧州の株価が堅調です。そろそろ世界経済の大きな流れが変化する時期に来ているのかもしれません。

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は昨年10月、リーマンショック以降続けてきた量的緩和策の終了を決定しました。米国経済が回復していることから、このまま量的緩和策を続けていると資産バブルなどのリスクが高まってくるからです。FRBによる量的緩和策終了の決定を受けて、市場ではいつ米国が利上げに踏み切るのかに関心が高まっています。

 いくら米国経済が好調でも、急に金利を上げてしまうと、景気に冷や水を浴びせてしまう可能性があります。6月には利上げを行うという予測がある一方、年内は利上げを見送った方がよいという意見も出ているようです。しかしここに来て、やはり6月に利上げに踏み切るのではないかとの観測が強まっています。それは6日に発表された米国の雇用統計の結果が予想以上に好調だったからです。

 米国では新規雇用者数の増加が20万人を超えると好景気とみなされます。2月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が29万5000人増と市場予想の24万人を大幅に上回りました。堅調な個人消費によって企業活動が活発になり、雇用が増えたと考えられます。米国ではインフレに対する懸念が非常に強いですから、FRBが早期の利上げを決断しても不思議ではありません。

 一方、欧州はまったく逆の状況です。インフレ率の低下に悩まされたECB(欧州中央銀行)は9日、とうとう量的緩和策の実施に踏み切りました。市場ではすでにこれを織り込んでおり、ドイツの短期金利はマイナスに突入しています。米国との金利差が大きくなりますから、市場ではユーロ安が進んでおり、これにともなって欧州の株価が急上昇しています。ドイツの株価指数は1月初旬と比較すると2割上昇しました。

 欧州にはギリシャ問題などマイナス要素も多いですが、一方、ドイツのように超優良企業が揃っている国もあります。ユーロ安と低金利の組み合わせで、うまくいくと、リーマンショックから急回復した米国の状況を再現できるかもしれません。原油価格の大幅な下落も、欧州の成長拡大を後押しするでしょう。

 中国など新興国の景気減速から、全世界的には成長率の鈍化が予測されています。量的緩和策はいってみればデフレの輸出ですから、欧州と日本の緩和策によって、今度は米国の成長にブレーキがかかるリスクもあります。しかし、米国の利上げと欧州の株価高騰がいい方向に回っていけば、ふたたび世界経済を成長軌道に乗せられるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/5(火) 4:10
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