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<インド>反骨の伝統芸能学校 ── 高橋邦典フォト・ジャーナル

2015/3/19(木) 20:00配信

THE PAGE

 チェンナイにある伝統芸能の学校カラクシェトラ。「芸術の神聖なる土地」という意味を持つこの学校の歴史は古く、創立されたのは1936年。英国の植民地時代、自らの伝統文化を残そうとの反骨の意味もあったらしい。日本の天皇もインド訪問の際、この由緒ある学校を訪れたという。

 ある午後、木の生い茂る中庭で舞踊の稽古がおこなわれていた。自然の中でのレッスンは気持ちがいいだろうなあ、などと思いながらシャッターをきりはじめるが、いざ授業がはじまると、そんなに悠長なものではないことに気付かされた。
 
 リズムに合わせ、硬いコンクリートの地面に叩きつけるような強いステップ。動きもなかなか激しくて、思っていたよりずっとアスレチックだ。しばらくすると、生徒たちの激しい息遣いがこちらまで伝わってくるようになった。後半になると、体がついていかずに、座り込む生徒さえも現れた。厳しい訓練を何年も重ね、学校を卒業してもプロの踊り手としてやっていけるのは100人に1人以下。どんな世界でもそうだろうが、一芸で身をたてていくのはそう易しいことではない。

(2013年11月)

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高橋邦典 フォトジャーナリスト
宮城県仙台市生まれ。1990年に渡米。米新聞社でフォトグラファーとして勤務後、2009年よりフリーランスとしてインドに拠点を移す。アフガニスタン、イラク、リベリア、リビアなどの紛争地を取材。著書に「ぼくの見た戦争_2003年イラク」、「『あの日』のこと」(いずれもポプラ社)、「フレームズ・オブ・ライフ」(長崎出版)などがある。ワールド・プレス・フォト、POYiをはじめとして、受賞多数。

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最終更新:2015/4/19(日) 2:41
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