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内戦危機? イエメンで何が起こっているのか

2015/3/24(火) 17:00配信

THE PAGE

 ここ数日、アラビア半島の南に位置するイエメンで空港襲撃事件や自爆テロが相次いでいます。武力衝突が全土に広がり、内戦の危機にあるとの指摘もあります。中東に広がりつつあるイスラム教「シーア派」対「スンニ派」の構図も見られる中、いまイエメンで何が起きているのでしょうか。また、紅海など海上貿易ルートへの影響も懸念されていますが、イエメンの混迷は日本や国際社会にどのような影響があるのでしょうか。

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イエメン版“南北朝時代”

 イエメンの政治は今とても混乱しています。例えるなら日本の南北朝時代みたいな状況と言えるでしょう。南北朝時代というのは、跡継ぎ問題でもめた2人の天皇が「私こそがリーダーだ!」と争った約60年間(1336年~1392年)でした。

 現在のイエメンの状況もこれに似ていて、2人の人物が「私こそがリーダーだ!」と主張し対立しています。政治指導者が決まらなければ政府の働きはままならないし、誰の言うことを聞けばいいのか国民は迷ってしまいます。政治が混乱するのも当然でしょう。

 対立しているのは、イスラム教スンニ派の ハーディー大統領と武装勢力の指導者ホーシー氏の2人です。この武装勢力は、ホーシー氏を指導者と仰ぐ一派なので「ホーシー派」と呼ばれています。シーア派の一派です。 今年1月、ホーシー派は大統領の官邸や自宅に攻め入りました。攻撃を受けたハーディーは大統領を辞めると表明し、同じくホーシー派の襲撃を受けた首相や大臣らも総辞職しました。ホーシー派は自らが中心となり、国内外の反発を押しのけながら新体制づくりを始めました。

 しかし約1か月後、ホーシー派による自宅軟禁状態から脱出したハーディーは、避難先の都市で辞表の取り下げ宣言をしました。これにより、イエメンの首都サヌアを占拠しているホーシー派と、イエメン第二の都市アデンで復活宣言をしたハーディー大統領とが対決する構図が生まれました。双方とも相手方の主張を断固として否定しています。

 イエメン共和国は旧南北イエメンが1990年に統一して誕生した国家です。ホーシー派のいるサヌアは旧北イエメンの首都で、ハーディー大統領が現在いるアデンは旧南イエメンの首都でした。なので、今の状況は旧南北イエメンの首都に両者が陣取って対立するイエメン版の南北朝時代と言えるでしょう。

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最終更新:2016/1/28(木) 3:19
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