ここから本文です

「七代目市川團十郎」が浮世絵で蘇る 江戸町人が熱狂した歌川派の浮世絵展

2015/3/28(土) 18:18配信

THE PAGE

 江戸後期の浮世絵の一派である歌川派の展示会「浮世絵『歌川派と歌舞伎―勇壮なる役者絵の世界―』」が足立区立郷土博物館で開かれている。訪れた市民らが浮世絵で蘇った「七代目市川團十郎」の世界を堪能している。

 江戸時代後期、町人の文化として発展してきた浮世絵は、江戸から明治に時代が変わっても、写真と印刷へと移り変わり、画風も変化しながら今に受け継がれている。世界的にファンも多く、西洋絵画の巨匠ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが生前、歌川派のコレクションをしていたという逸話もある。特に印象派の画家たちには大きな影響を残したと言われている。

 展示では、歌舞伎文化を描く役者絵や歌川派一門における役者絵がどのように展開していったのかを紹介。会場には他に「流行猫の戯 袂糞氣罵責段(はやりねこのたわむれ たもとふんきこごとぜめのだん)」など約60点が展示されている。歌舞伎、風景、街の人々の暮らしが詩情豊かに描かれており、当時の江戸の町が息づく様子がうかがえる。特に今回は、歌舞伎の役者絵を中心に展示。特に注目の七代目市川團十郎は、歌舞伎十八番を制定し、江戸歌舞伎を代表する人気を博した人物で、後の五代目市川海老蔵である。

 今回の展示が始まった最初の土・日には約100人が来場したという。訪れた市民らは、一つ一つの浮世絵の世界にじっくりと見入っていた。歌舞伎ファンという50代男性は、「質と量ともに豊富で堪能できた。ここにこれだけのものがあるのが不思議なくらい」と語った。

 足立区立郷土博物館では1000点をこえる浮世絵コレクションを収蔵、1986年開館以来、収集。江戸時代の足立区の様子を描いた歌川広重の作品などを所蔵している。「企画展や浮世絵展を開催して、ご覧いただいている。この浮世絵展で写真では味わえない生き生きと演じた様子を見てもらいたいですね。また他の役者絵も言葉では言い表せない魅力があります」と話している。

 この展示は4月6日まで開かれている。問い合わせ先は足立区立郷土博物館(03・3620・9393)。

(ライター・中村曜子)

最終更新:2015/3/28(土) 18:18
THE PAGE