ここから本文です

広島・黒田の2740日ぶりの勝利の裏に数センチの工夫

2015/3/30(月) 6:00配信

THE PAGE

 2740日ぶりの広島への凱旋勝利を復帰初先発の試合で飾った黒田博樹(40)。想像を絶する重圧からか、「力が入りすぎたのでバランスが良くなかった。内容は良くなかった」と本人が反省するような状態でありながら、走者を背負うとコントロールミスをしないという脅威の集中力で、ヤクルト打線にスコアボードに7つゼロを並べさせた。

 96球、5安打5奪三振、無失点。

 昨季は、名門、ヤンキースのローテーションを守って199イニングを投げて11勝9敗。計算の立つ先発投手を喉から手を出しても欲しかったドジャース、パドレスが単年約20億円のオファーを出した世界最高レベルの安定感は海を越えて戻ってきた日本でも健在だった。

「(日米)どこのマウンドであってもマウンドに上がることは大変ですし、マウンドに上がって結果を出すのも大変なので、そういう気持ちでいつもやっています。どこのマウンドでも勝てるということには満足しています」

 黒田は、そう言ったが、実は、この凱旋勝利の裏には、数センチの工夫があった。

 メジャー時代から黒田を見てきた評論家の与田剛氏が言う。

「日本に帰ってきてからプレートの一番一塁側の端を踏むようになりましたね。ほとんど足先が、かかっているくらいの位置です。おそらく右打者のインサイドと、左打者のインサイドのフロントドアと呼ばれるツーシームにより角度をつけるための工夫でしょう。アメリカに比べてボールもマウンドも違いますから、その曲がり、変化の違いを感じる中で、プレートの端を踏んだ方が、よりツーシームの効果があると考えたのでしょう。真意を本人に会う機会があれば聞いてみたいのですが、効果が出ていますね。今日みたいに審判を味方につけることができるくらいにホームベースの両サイドを使われてボールを動かされると対戦チームは攻略が難しくなりますね」

 よく映像を見ればわかるが、黒田は、60センチ強のプレート板の一塁ベースよりの端っこに右足のつま先をかける感じで踏んでいる。メジャー時代に比べて、スパイクの幅を入れると、10センチ以上、踏む位置が一塁ベース側にずれている。つまり打者から見てボールのリリースポイントも右側にずれることになり、武器であるツーシームの角度が、さらに鋭くなり、左打者ならば、ボールからストライク、右打者ならストライクからボールに動くような錯覚に陥るのだ。ただでさえ魔球と恐れられる「フロントドア」が、打者にとって、より見えにくく、判断の難しい嫌な角度で動くことになる。

1/2ページ

最終更新:2016/1/14(木) 4:25
THE PAGE