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批判を浴びるgumiの開示姿勢、日本企業の情報開示の不十分さ

2015/4/1(水) 17:31配信

THE PAGE

 上場直後から、業績の下方修正や大規模なリストラを連発しているgumiが株式市場で批判を浴びています。上場審査を厳格化すべきとの声も上がっているようですが、果たして、gumiの開示姿勢はどう考えればよいのでしょうか。

 gumiはスマホ向けのゲームを開発するメーカーで、GREEやDeNAなどのプラットフォームにアプリを提供しています。ロールプレイングゲーム「ブレイブフロンティア」などのヒットで急成長した同社は昨年12月、ベンチャー企業が多く上場する新興市場ではなく、いきなり東証一部に上場しました。

 しかし、上場からわずか2カ月半後に、2015年4月期の業績見通しを13億円の営業黒字から一転して4億円の赤字に修正し、市場は大混乱となりました。さらに業績下方修正を発表した翌日に、運転資金30億円の借り入れが発表されるなど、投資家の疑心暗鬼に拍車がかかっています。

 確かに、同社の業績見通しは甘く、投資家を不安にさせるものであることは間違いありません。また市場で騒ぎになってから、銀行借り入れを明らかにするなど、情報開示のポリシーも不明確といってよいでしょう。同社の國光宏尚社長が、世界ナンバーワン企業であるディズニーなどを引き合いに「エンターテインメント業界で世界一になる」といった壮大なビジョンを語っていたことや、新興市場を経ずに一部市場に上場したことなども、批判の大きさと関係しているかもしれません。

 ただ、こうした状況が同社だけの問題なのかというと必ずしもそうではないでしょう。

 政府が全面的に支援し、日の丸液晶メーカーとして鳴り物入りで上場したジャパンディスプレイは、上場1カ月後にいきなり業績を下方修正し、さらに半年後には2度目の下方修正を発表。2015年3月期は120億円の最終赤字に転落する見込みとなっています。

 ジャパンディスプレイは税金を投入した事実上の国営企業であり、液晶という装置産業ですから、本来は、厳密な事業計画のもとに設備投資や営業活動を実施する必要があります。政府のお墨付きを得た企業ですらこの有様ですから、ましてや、浮き沈みが激しく、荒っぽい商習慣で知られるゲーム業界の急成長企業に、信頼性の高い情報開示を求めるのは無理があるのかもしれません。

 しかし、だからといってこうした不信を招くような情報開示が許容されるわけではありません。株式市場は投資家からの信頼で成立しており、これを失ってしまえば市場が機能しなくなります。日本企業の情報開示の不十分さは20年以上も前から指摘され続けていることですが、根本的な状況はあまり変わっていないようです。投資家をないがしろにした市場には優良なお金が集まらなくなり、長期的にはその国の経済力にボディーブローのように効いてくることになります。日本の株式市場のあり方と日本経済の停滞は決して無関係な出来事ではありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/21(木) 3:12
THE PAGE