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米雇用統計が予想を大幅に下回る、日本経済への影響は?

2015/4/8(水) 7:00配信

THE PAGE

 先週末、市場関係者を少々驚かせる指標が発表となりました。米国における3月の雇用統計の数値が、市場予想を大幅に下回ったのです。これまで米国経済は絶好調と認識されており、早ければ6月にも利上げが行われるという観測でした。日本の輸出産業は完全に米国の好景気に依存していますから、これにブレーキがかかる状態になると、日本経済にとっても大きな打撃です。果たして米国の景気は大丈夫なのでしょうか。

[解説]ニュースでよく見る「米雇用統計」とは?

 米労働省によると、3月の非農業部門における雇用者数は前月比12万6000人増となり、市場予想の約半分となりました。米国では新規雇用者数が20万人を超えていると好景気とみなされます。このところ、20万人を大きく超える月が連続していましたから、米国経済は絶好調というのが市場のコンセンサスでした。

 しかし、今回の雇用統計の数字が予想を大きく下回ったことから、米国の景気が踊り場に差し掛かっているのではないかとの懸念が出てきています。

 新規雇用者数が減少した要因のひとつは、シェールガス関連の雇用が大きく減ったことです。原油価格が大幅に下落していることから、シェールガス事業者の中には減産を迫られるところが出てきています。付帯する事業における雇用が減った可能性が考えられます。

 製造業の雇用もあまり活発ではありませんでした。西海岸の港湾労働者のストが長引き、部品の調達に苦慮する企業が出てきており、一部の企業は生産を抑制しています。また金利の上昇を見込んでドル高が続いていますから、輸出産業の中には、利益が減少し、新規の雇用を控えているところもあるようです。

 これらの要因は基本的に一時的なものですから、しばらくすると、雇用も回復する可能性があります。米国経済の柱である個人消費は依然として活発で、大きな衰えは見られません。

 しかしながら、世界全体を見ると、米国以外は景気が停滞しているという状況であり、すべてが米国経済に依存する形になっています。いくら米国の内需が強くても、世界経済がその足を引っ張ってしまう可能性は否定できないでしょう。

 6月になるのか、12月になるのかは分かりませんが、FRBが現在の金融緩和状態を放置するとは思えませんので、どこかのタイミングで利上げは実施されます。利上げが実施されれば、米国株も調整することになります。

 相対的に米国経済が有利であり、ドルが買われやすいという状況に変わりはありませんが、米国の成長率についても多少、鈍化する可能性は考慮に入れておいた方がよいかもしれません。自動車業界を中心に、多くの日本企業が米国の好景気に依存していますから、今後の業績に対する過度な楽観は禁物です。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/15(金) 4:53
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