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イラン核協議合意、世界経済への影響は?

2015/4/10(金) 7:00配信

THE PAGE

 米欧など6カ国とイランは4月2日、核問題の解決に向けた枠組みについて合意しました。最終合意に達することができれば、イランの核開発が制限される一方、イランに対する経済制裁が解除されることになります。世界経済にはどのような影響があるのでしょうか。

 米国とイランは、1979年の米大使館人質事件以後、35年にわたって敵対関係が続いてきました。最近は、イランが独自に核開発を開始したことから、米国との関係がさらに悪化していました。この状況に変化をもたらしたのが、オバマ政権の中東政策です。オバマ政権は、基本的に中東への介入には消極的で、イランについても対話によって問題を解決する方針を打ち出しました。一方、イラン側も米国による経済制裁の影響が大きく、国民の不満が高まっていましたから、双方に交渉を進める条件が整ったわけです。

 ただ、これまで敵対していた国どうしの交渉ですから、そう簡単にはいきません。2日の枠組み合意後も、合意内容の解釈をめぐって対立が続いており、6月末が期限とされる最終合意に到達できるのかはまだ不透明です。

 しかし、市場では早くもイランの市場開放について期待が高まっています。

 世界経済に対するインパクトがもっとも大きいのは石油でしょう。イランは、サウジアラビアほどではありませんが、イラクやクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)と並ぶ石油大国です。米国がイランに対する制裁を解除すれば、イラン産の原油が国際マーケットに大量に出回ることになりますから、中長期的には原油価格の下押し圧力になるとの見方が有力です。

 イランの国内市場にも注目が集まっています。今でこそイランは厳格なイスラム主義の国ですが、1979年にイラン革命によって王制が倒れるまでは親米政権でした。当時は米国文化が大量に流入し、ミニスカートをはいた女性が街を歩いていたくらいですから、潜在的な消費市場が存在しています。イラン国内の株式市場は、欧米資本の流入や、市場開放を期待して、高騰が続いています。また欧米のビジネスマンがすでに多数、首都のテヘランを訪問し、経済制裁後を見越した商談を行っているという報道もあります。

 イランの国際社会への復帰で、シーア派の勢力が強まり、中東のバランスが崩れると指摘する人もいます。しかし、イランは潜在的な経済大国であり、市場開放がもたらすメリットは大きいと考えられますから、世界経済にとってはプラスの作用が大きいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/8/12(水) 3:26
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