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初産年齢の高齢化でも話題に「妊活」とは何だろうか?

2015/4/9(木) 16:00配信

THE PAGE

 厚生労働省が2014年に発表した平成25年人口動態調査によると、初めて出産する女性の平均年齢は30.4歳。平成23年に初めて30歳を超えて(30.1歳)以降、引き続き上昇傾向にある。年齢が高くなるにつれ、自然に妊娠を待つのではなく、妊娠、出産に向けた活動、いわゆる「妊活(にんかつ)」に取り組む人が増えていると言われる。そもそも、妊活とは何なのか。そして妊活が男性にとっても大切だとされる理由は何か。国立成育医療研究センターの医師で、不妊治療にくわしい齊藤英和(さいとう ひでかず)医師に寄稿してもらった。

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 「妊活」、こういう言葉を聞くと、改めて「頑張らないといけない」という気持ちになるかもしれない。しかし、これは単に妊娠することを目指すのではなく、妊娠・出産・育児には男女とも適齢期があり、これをよく理解して、自分の生活環境を妊娠・出産・育児に適した状況に整える活動のことである。

 わたしは仕事と家庭が人生の両輪だと考えている。両方が順調にいくことが、幸せなことだと思う。もちろん、人生が仕事だけという価値観の方があってよいと思う。しかし、仕事と家庭の両方だと思う方は、家庭形成について、若いうちからよく考えておくことが大切である。なぜなら、男女とも妊娠適齢期は20歳代であるからである。

 まず、医学的に女性の妊娠適齢期を考えてみよう。妊娠しやすい時期は20歳代前半から中ごろである。もちろん、40歳になっても妊娠する人もいる。しかし、確率から妊娠しやすい時期といえば、20歳代前半なのである。また、妊娠中の安全性を考えると、たとえば流産の確率も20歳代が一番低い。出産期に赤ちゃんが死ぬ確率(周産期死亡率)や出産時に母体が死亡する確率(妊産婦死亡率)も20歳代が低い。さらに、出生児の先天異常の確率も20歳代の母親から生まれた児が最も低いと言われている。

 一方、男性においても、最近多くの医学的な研究がなされて、男性の妊娠適齢期も20歳代といってよいと考えられている。男性の年齢が高くなると相手の方の年齢も高くなる可能性はあるので、今回お話している研究のデータは、女性の年齢が結果に影響しないように補正(統計計算)をして、男性の高齢化がどう影響するかをみている。 

 男性の年齢が高くなるほど、相手の方が妊娠するまでに時間がかかる。20歳代では平均6か月かかるが、30代では10か月、40歳代後半では1年半かかる。また、相手の方が妊娠後の流産の確率も男性の年齢も影響し20歳代が一番低くなる。さらに精子のDNA、すなわち人を作る設計図は、これも40歳以上になると断片化する精子の率が高くなる。驚くことは、男性の年齢が一歳高齢になるごとに、DNAに2個、突然変異が増えるとの研究があることである。男性の年齢に関わることで、一番知っておいていただきたいことは、高齢の父親から生まれた児に精神疾患(たとえば、自閉症、ADHD,双極性障害、統合失調症など)が多いということである。

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最終更新:2016/2/13(土) 2:55
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