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桐生は9秒台を出せるのか

2015/4/11(土) 14:00配信

THE PAGE

 陸上界短距離のホープ、桐生祥秀(19歳、東洋大)が19日に広島で行われる織田記念陸上に出場する。洛南高3年だった2年前に10秒01をマークして伊東浩司氏の持つ日本記録10秒00に肉薄、非ネグロイドの人種で初の9秒台を狙えるとして大きな注目を集めた場所だ。その「エディスタ広島」は、高速トラックで風向きも含めて記録が出やすいと言われているだけに、なおさら9秒台への期待が高まっている。

 しかも、この3月28日に米国テキサス州オースティンで行われた「テキサス・リレー」で追い風3.3メートルの参考記録ながら9秒87をマークした。専門家の試算によると、追い風2メートルであったとしても9秒台が記録されていたという。桐生は、その自信を胸に「9秒台に耐えられる体ができてきた。期待されて出さないと、トップアスリートという感じがしない。自分の走りをすれば、(9秒台が)出ると思う」と、強気の発言。では、桐生が9秒台を出す可能性は本当にあるのだろうか?

 現在、一般社団法人「TEAM不破」の代表理事として「速く走る方法」を子供たちに教えるアスリートアカデミーを立ち上げている、元ロス五輪代表の不破弘樹さん(48)は、9秒87の走りを評価した上で「条件が整えば、今シーズンにでも9秒台は出るのではないか」と見ている。

「アメリカのレースでは、追い風参考記録ながら9秒87を出しましたが、そのことよりもベイリーといった世界トップクラスのスプリンターを相手に勝負で勝ったことを評価すべきでしょう。スターティングブロックの位置を変えたそうですね。スターティングブロックは両足で蹴りますが、左足が反応した後に右足を踏み出すことになります。これまでのようにブロックを平行にしていると前にポンとでやすい。だが、中間疾走でスピードにのりにくくなる。
 ブロック幅を前後に広げると両足で蹴る力、支点となる左足から右に出す力が必要になって、本来、体が出ていくことが難しくなります。しかし、それを本人がスムーズに感じるということは、それだけ筋力がつき股関節などの可動域が広まったということでしょう。ストライドも大きくなっていました。中間疾走から後半の走りには定評のある選手ですから、力強いスタートで推進力をつけることができるのはプラスだと思います。
 報道によると可動域を広げるトレーニングを取り入れているとか。おそらく初動負荷トレーニングでしょう。彼の《膝下でふりだす》という走法は僕と似ています。足首の強さがなければできない走法です。強い反発を受けるので、足首が硬いと故障する危険性も高いのですが、関節の可動域を広げることに取り組んでいるならば、そのリスクも回避できて彼の特性がさらに高まるでしょう。現在、東洋大の土江コーチや伊東氏らと取り組んでいる方向は間違っていないと思います」

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最終更新:2016/2/21(日) 4:02
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