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2万円超えで狙いはTOPIX? 株価占う「NT倍率」とは

2015/4/22(水) 16:00配信

THE PAGE

 日経平均株価が2万円を突破したことで、市場ではさらなる株価上昇を期待する声が高まっています。一方、東証株価指数(TOPIX)の方は、リーマンショック前の水準をまだ超えていない状態です。投資家の中には、日経平均とTOPIXの動きの違いを利用して利益を得る人もいるのですが、両者の違いから何が分かるのでしょうか。

 日経平均は、指数の対象として選別された225銘柄の株価を単純平均したものです。新株の発行や分割で見かけ上の株価は変わりますから、この部分については連続性が保てるように修正を行います。米国のダウ平均株価も同じ方式で計算されており、このような指数の作成方法をダウ式と呼びます。主力銘柄の過去からの連続的な動きを見たい場合には、日経平均は最適な指標ということになります。

 一方、TOPIXは東証一部に上場しているすべての銘柄の株価が対象となっており、時価総額によってウェイト付けされています。このため、日経平均に比べると市場全体の動きをより反映します。機関投資家がベンチマークに用いるのは主にTOPIXの方です。

 日経平均とTOPIXにはそれぞれ値動きに特徴があります。日経平均は株価水準の高い銘柄の動きに左右されやすく、TOPIXは時価総額の大きい銘柄に左右されやすいのです。投資家は必要に応じて両者を使い分けているのですが、両者の値動きの違いそのものに着目する方法もあります。そのひとつがNT倍率と呼ばれるもので、これは日経平均をTOPIXで割って算出します。

 例えば2014年4月1日における日経平均の終値は1万9034円84銭、TOPIXの終値は1528.99ですから、NT倍率は約12.5倍ということになります。日経平均は主力銘柄が中心ですから、市場全体に対して先行する傾向にあります。このため、一般的には、NT倍率が拡大傾向にある時は、株価は上昇トレンドにあり、逆に縮小に向かえば、下落トレンドにあると認識されます。さらに細かいところでは、NT倍率が拡大して、その後、大きく市場が崩れていなければ、銀行株などTOPIXの値動きに影響のある銘柄が今後上昇するのではないか、などと予測することも可能です。

 ただ、NT倍率はあくまで両者の差分ですから絶対的な指標ではありません。長期的にはバブル崩壊後は、NT倍率の低下とともに、日本の株価も下落していましたが、2007年の上昇相場の時にはNT倍率は約10倍と低いままでした。2003年の日本は金融危機直前まで追い込まれており、銀行など内需株が暴落していました。その分の反動上昇が大きかったことが、NT倍率が上がらなかった主な原因と考えられます。

 しかし、リーマンショック後は状況が一変、株価が低迷しているにもかかわらず、NT倍率は急激に上昇して現在に至っています。これは主力銘柄が多い日経平均は下落局面でも株価が大きく崩れなかったことや、現在の株価上昇は輸出産業主導であることを示しています。相場の局面によってNT倍率が意味するところは変わるという点には注意が必要です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/26(火) 3:16
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