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私たちの賃金、実は下がっていた?

2015/4/20(月) 7:00配信

THE PAGE

 昨年は何とか横ばいで推移したと思われていたわたしたちの給与が、実はマイナスになっていたことが明らかとなりました。今年2月に発表された毎月勤労統計の改定が行われ、過去に遡って数値が修正されたのですが、2014年の給与は下方修正となり、結局、前年比0.4%の減少でした。昨年は賃上げが行われ、給与が増加することが期待されていたのですが、全体的には効果がなかったようです。

 今年2月に発表された2014年の所定内給与は24万1338円で前年比横ばいという結果でした。昨年は、政府が企業に対して異例の賃上げ要求を行い、大手企業を中心に春闘では2%以上の賃上げが実現しています。これはあくまで大企業だけですが、現実に賃上げに踏み切る企業が増えてきたのは事実ですから、これが全体の賃金上昇につながることが期待されていました。結果は横ばいだったのですが、今年の春闘においても引き続き賃上げが実現すれば、いよいよ全体の賃金上昇につながることを期待させる内容であったことは間違いありません。

 ところが、最新の統計では、この数字は前年比0.0%からマイナス0.4%に下方修正されてしまいました。つまり春闘で大幅な賃上げが行われたにも関わらず、全体の賃金はやはり低下していたのです。

 毎月勤労統計は、厚生労働省が数値を取りまとめているのですが、新しい企業の賃金を統計に反映させるため、おおよそ3年ごとに調査対象企業の入れ替えを行っています。対象企業を入れ替えた後、過去のデータも含めて、結果の修正が行われたのですが、そこで賃金がマイナスと計算されてしまったわけです。調査対象企業を入れ替えればこうした変化が発生してしまうのはやむを得ないことではありますが、2013年と2012年の数字も下方修正されていますので、2014年だけの問題ではなさそうです。やはり全体として賃金はまだ下がっていると解釈した方がよいでしょう。

 賃金が上がらないひとつの原因は非正規社員の増加と考えられます。2014年は2013年と比較して正社員の数が15万人減っていますが、非正規社員は56万人も増えています。非正規社員の給与は正社員より著しく低いですから、仮に賃上げが行われたとしても、全体の数字を押し下げる可能性があります。

 もっとも今年に入ってからは人手不足が深刻化しており、失業率の低下が顕著です。また非正規社員が減少し、正社員の数が増加する傾向も見られるようになってきました。今年は昨年と比較して、給与が上がりやすい環境になっているかもしれません。今年の春闘でも引き続き賃上げが実現すれば、ようやく全体的な賃金も上昇トレンドに乗り始めることでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/27(水) 4:26
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