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<上西議員の除名> 離党した比例選出議員は辞職すべき?

2015/4/16(木) 18:28配信

THE PAGE

 衆院本会議の欠席を批判され、維新の党から除名された上西小百合衆院議員。「比例の議席の返上」を求められた上西議員は、除名は「エモーショナルな処分」と不満を述べ、議員辞職はしない考えを示した。比例選出の議員が離党した場合は辞職すべきだとの批判は根強い。この問題をどう考えればいいのか。政治学者の品田裕(しなだ・ゆたか)神戸大学大学院教授に寄稿してもらった。

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 先日、上西小百合衆議院議員が維新の党を除名され、辞職を促されたものの、無所属のまま議員を続けることを明らかにした。比例区から選出された議員が離党した場合に、辞職すべきかどうか、以前から議論されてきた問題が今回も浮かび上がっている。

議員の身分と活動

 そもそも国会議員の身分は、不逮捕特権などで手厚く保護されている。これは、かつて各国で議会が力を獲得していく過程で、しばしば王や独裁者と議会が対峙したことによる。今ではピンとこない話かもしれないが、議員の身分の手厚い保護は、議会の最も古い記憶に根差すルールである。だから、おいそれと議員の身分を奪うことはできない。

 他方、今日、政党が民主主義の中心的な担い手であることは誰も否定しないだろう。われわれは政党政治の時代に生きている。政党は選挙という競争を闘い、勝利した政党が政権を担当する。議会での活動は政党を単位にして行われ、次回選挙をにらんで与党と野党がせめぎあう。この状況で無所属議員が政治に及ぼす影響は極めて小さい。政治家としての将来を真面目に考えれば、無所属議員がいずれどこかの政党に入ることを検討しても不思議でない(受け入れる党が必要だが)。

「国民の代表」と「投票者の代表」

 さて、議員は代表である。では何の代表だろうか。一つには、「国民全体の代表」という考え方がある。議員は一度選ばれたら、国民全体のために自分が最善と考えることを全力で実現するというものである。有権者の側から見れば、一度選んだら、後は全てを議員に託すことになる。何と言っても議員は選良なのである。辞める必要はよほどでない限りない。

 しかし、これには昔から異論がある。有権者は全てを「白紙で」議員に託すのではない。議員は自らを選んでくれた投票者の言い分に従うべきであるという考え方である。実際には有権者の声を確認することは難しいが、選挙制度の性質や政治意識の動向から推測することはできると考える。

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最終更新:2016/2/21(日) 3:26
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